25歳で成長が止まる世界、そしてその後は?…。映画「TIMEタイム」

4月も中旬を過ぎ、私の住む長野県北部の桜も満開になりました。そろそろ散り始めているところもあります。
今年は全国的に開花が早かったようですね。ひょっとしたら、夏も早いのかしら?嫌だな…。暑いの嫌い。
この時期の時候の挨拶に「惜春」と言う言葉があります。秋の時分の「惜秋」と言う言葉もありますね。
日本は春と秋が過ごしやすい季節なので、その季節が過ぎ去ることを惜しむということからきているのでしょう。
いずれにせよ、四季折々の豊かな自然の風景を持つ、日本ならではの情緒ある言葉です。季節が終わるのを惜しみながら新しい季節を待つ、終わりの始まりを楽しむのも一興ですね。

さて、今回ご紹介する映画は「TIMEタイム」です。



では、あらすじを簡単に

近未来の世界。遺伝子操作により人々は25歳から歳をとらなくなりました。
しかし、寿命は管理されており、寿命を延ばしていくには “時間”を手に入れるしか方法はありません。そう、時間=通貨なのです。報酬や支払いはすべて、時間のやりとり。自分の時間がなくなる=死ということ。
また、この世界では時間がなく、日々死と隣り合わせの貧民たちが住むスラムゾーンと、時間を持て余し永遠の命を持つ富裕層とゾーンとの2つに区切られています。
ある日スラムゾーンに住む青年ウィルは、富裕層ゾーンから来たヘンリーを、彼の時間を奪い取ろうとするギャングから助けます。
ヘンリーは105歳。長寿により心が疲弊してしまい、死に場所を探していたのです。そしてヘンリーはウィルに富裕層が世界の時間をコントールし、人口が増え過ぎないよう、故意に物価を上昇させ、バランスを取っているという事実を伝え、自分の寿命100年を与え死亡します。
しかし、ウィルにはヘンリー殺害の容疑がかかり、時間監視局から追われる身となります。ウィルは母を連れて富裕層が暮らすニュー・グリニッチへ行くことを決意するのですが…。

作品情報

監督はアンドリュー・ニコルです 1964年生まれ、ニュージーランド出身の映画監督・脚本家・プロデューサーです。
ロンドンでテレビコマーシャルの監督となり、その分野で活躍し成功を収めたのち、映画監督を目指してロサンゼルスに移住しました。
1997年『ガタカ』で監督・脚本家 デビュー。
翌年の1998年『トゥルーマン・ショー』でアカデミー脚本賞にノミネートされました。

主演を務めたのはジャスティン・ティンバーレイクです。1981年生まれ。アメリカ、テネシー州出身です。
11歳のときオーディション番組に参加し、その後、子供番組「ミッキーマウス・クラブ」に出演します。1998年にボーイズグループ、イン・シンクの一員として人気を博します。
人気ミュージシャンとして活躍する一方で、2004年から俳優としても活動を始めました。出演作に『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)『バッド・ティーチャー』(2011年)等があります。

ヒロインを演じたのはアマンダ・サイフリッドです。1985年生まれ、アメリカのペンシルべニア州出身です。
11歳からモデルの仕事を始め、2000年にTVドラマで女優デビューしました。
映画初出演は2004年の『ミーン・ガールズ』です。
2008年に公開された大ヒット作『マンマ・ミーア!』続編の『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』(2018年)ではメリル・ストリープの娘役を好演しました。

25歳のままというのはいいな

世界は圧倒的にスラムゾーンの住人が多く、彼らの持つ寿命は少ない。1日働いて23時間分。
コーヒー1杯が余命5分、バスの乗車賃が2時間分…。高級車は59年分です。
1日を生き延びるために働く…。
時間を無駄にしないようにせわしく動き、走ることは癖になっています。
一方で何十億年、何百憶年と言う膨大な時間を持っている富裕層は何をするにもゆっくり。
そりゃそうだ。彼らの時間は有り余っているのだから…。
でも、ヘンリーのように心が疲れてしまい、自殺する者もいます。
生きることに飽きるって、贅沢すぎる。
まさに時は金なりの世界。
この作品を観ると、時間の使い方、過ごし方、自分の価値観は何?と色々と考えさせられます。
でも、始まりがあって、終わりがある、花だって永遠に咲いていたら造花と同じ。
散って儚いからこそ尊くて美しいのだと思うのです。
終わりを迎えるとき、後悔のないように、今を生きる。私はそれでいいかな?

【TIMEタイム】
監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル
出演者:ジャスティン・ティンバーレイク
アマンダ・サイフリッド
キリアン・マーフィー
オリヴィア・ワイルド
マット・ボマー
アレックス・ペティファー
ヴィンセント・カーシーザー
ジョニー・ガレッキ
上映時間:109分
製作年:2011年
製作国:アメリカ

※画像はAmazonより引用させていただきました

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