食べるべきフランスのパン達!
こんにちは!
皆さんはパンはお好きですか?
パンってふっくらしていて風味豊かで、美味しいですよね。
フランス暮らしの私ですが、実は昔から粉ものと甘いものが苦手だったので、パンやケーキは避けてきた食品なんです。
ところが、渡仏して3年が経とうとしている今では、毎日パン屋さんに率先してパンを買いに出かけるほどパンフリークになってしまいました。
日本と並ぶグルメの国、フランスの主食はパンです。
この美味しさはヨーロッパのなかでも群を抜いていると思うんですよね。
ということで、今回はフランス発祥のパン達をベーシックなものからご紹介したいと思います!!
日本でもお馴染みのパンが本場フランスではどのように食べられているのか?
美味しくいただくコツなども書いていきますので、パン好きの方は必見です!
バゲット
まずはフランス人の食卓・フレンチレストランには欠かせない定番中の定番、バゲット(フランスパン)です!
私は渡仏するまで知らなかったのですが、バゲットって小麦粉と水、酵母と塩だけで作られているんですね。
非常にシンプルなパンなのですが、基本形だけに、バゲットの良し悪しがブーランジェリー(パン屋さん)の評価を左右していると断言できます。
第一に見た目。
表の部分の「クープ」(切り込み)の部分が美しくあること、うっすら焦げ目がついていること。
これは色が付き過ぎても薄すぎても良くありません。
そして裏側がフラットであること。
裏側の表面がボコボコしていたり、何かマシンにのせたような跡があれば、それは工場で作っている証なので味はちょっと落ちてしまいます。
断面は、このようにポコポコとした穴が不規則的に空いていることが望ましいです。
ということで表面はカリッカリ、中はもっちりとした食感ですと「良いバゲット」ということになります。
さらに良いバゲットは、手でちぎりやすいです。
ナイフを使わなくてもサクッとちぎれると味も美味しいんですよね。
だいたい2日くらいは買った当時の状態を保てますが、食べきれずに乾燥させてしまい、カチカチになってしまったバゲットは「パン・ペルデュ」(失われたパン、の意味。フレンチトーストのことです。)として朝食やデザートとして生まれ変わります。
フレンチトーストを自宅で作る機会があれば、ぜひ固くなってしまったバゲットで試してみてくださいね!
食パンよりソースがしっかりと絡んでくれて、より本場の味に近くなります。
私は食べきれなかったバゲットはおろし器でパン粉にしたりしています。
保管方法は、常温保存ですと問題はありません。ですがバゲットは高温や多湿な部分を嫌うので、プラスチックの袋ではなく、紙袋や布袋に入れるとより◎なんだそうですよ!
パン・ド・カンパーニュ
日本語で「田舎パン」を意味する、丸型やオーバル型をしたパンです!
小麦粉の他にライ麦を含んでいます。
バゲットより柔らかく、そして薄くスライスしていただくので、メイン料理よりはバターやパテ、ジャムとの相性が良いですね。
前菜としてサーブするのはこのパン・ド・カンパーニュが良いかもしれません。
おつまみとして、トースターで焼いてちょっとした具材をのせればワインとの相性もばっちり。
パン・コンプレ
こちらは全粒粉でできたパン・コンプレ!
パン・コンプレのコンプレ(complet)には、「完全な」という意味があります。
小麦がまるごと使用された全粒粉には食物繊維や鉄分、ビタミンB1などの栄養素も豊富。このように完全な小麦を原料とする全粒粉で作られているパンなので、パン・コンプレ(完全なパン)と名付けられたそうです。
健康志向の強いフランス人はバゲットよりこちらをチョイスしていますね。
年々パン・コンプレの需要も高まってきているようです。
我が家は気分転換のためにたまに買う程度ですが、感想としてはホワイトシチューなどのまったりとしたベシャメルソースに一番合うと思います。
粉の風味をダイレクトに感じられる素朴な味わいのパン・コンプレは、クリーミーなソースと合わせていただくと絶品です!
ヴィエノワズリー
さて、ここからは甘いパン、ヴィエノワズリー(Viennoiserie)のご紹介です!
ヴィエノワズリーとは卵やバター、砂糖を加えた発酵生地で作るリッチで甘いパンの総称です。日本で言うところの「菓子パン」といったところでしょうか。
チョコレートやプラリネ、クリームなどが加えられた甘いお菓子のようなパンです。
フランスに来てまずびっくりしたのは、このヴィエノワズリーが本当に素晴らしく美味しいということでした。
フランスではヴィエノワズリーは朝食に欠かせないので、和食派だった私もしぶしぶ食べることに。最初は糖分を摂るのが怖かったのですが、慣れてみたらシンプルに美味しくて幸せな気分になれました。
この幸せ感の方が行き過ぎた健康法より大事なのかもしれません。
毎日たくさん食べるのは体に良くないですが、たまに家族と一緒に食べると気持ちがほっこりするので私は好きです。
それでは、フランスにおける2大ヴィエノワズリーをご紹介したいと思います!
クロワッサン
最もクラシックでシンプルなヴィエノワズリーといえば、クロワッサン!!
三日月形をしていて、フランスの朝食として定番のパンです。
実はクロワッサンはフランスではなく、オーストリアはウィーンで始まったそう。
17世紀、ウィーンのパン職人が、オーストリア軍がトルコ軍を撃退した記念として作ったのがクロワッサンの始まりと言われています。
これを市民が「トルコ軍の国旗に記されていた三日月を食べる=トルコに勝利」という意味合いとして食べ始めたんだとか。
その後はオーストリア人のマリー・アントワネットがフランスでクロワッサンを広め、19世紀後半にはフランス・ヴィエノワズリーのシンボルとなりました。
美味しいクロワッサンは、外側が焼きたてのパイ生地のようにパリパリしていて、中は細かな層が何十にも重なっていて、柔らかい食感をしています。
重さもないですし、意外と中がスカスカなので何個でもいけてしまいそうですが、バターがたっぷりと使用されているので本場フランス人でも毎日は食べないようです。
とは言ってもフランスのクロワッサンは抜群に美味しいので、チートデイなどに食べる分には最高だと思います!
パン・オ・ショコラ
日本でもよく見かける、クロワッサン生地にチョコレートを包んで焼き上げたお菓子パンです。
こちらは平べったい形で厚みはなく、長方形をしています。
生地の美味しさとチョコレートの美味しさがマストなので、パン・オ・ショコラはバゲットやクロワッサン同様、パン屋さんの技量が問われる一品です。
フランスのパン・オ・ショコラもこれまた最高!と豪語できます。
フランスはとにかくバターが美味しいですし、小麦粉も美味しいからクロワッサンがめちゃくちゃ美味しい。そしてチョコレートも絶品なのでパン・オ・ショコラも最高です。
特に温かいコーヒーとパン・オ・ショコラの組み合わせは最強ですよね。
一度この美味しさを味わってしまうと、スーパーで売っているヴィエノワズリーでは満足できなくなってしまいます。
やっぱりブーランジェリーに足を運んで、パン職人さんが愛情を込めて焼いたパン・オ・ショコラを買うことで心もお腹も満たされるんだと思います。
日本のパンとフランスのパンと
フランス人の夫は来日時に日本のパンをよく買うのですが、コンビニのパンもパン屋さんのパンも「美味しい」と言っています。
日本のパンはバリエーションが豊かで、オリジナリティにあふれている。
フランスのパンは種類が少なくて、伝統的なレシピで作り続ける。
というのがフランス人の感想らしいです。
確かに、そう言われてみるとパンにもお国柄が現れているのかもしれませんね。
フランス人は意外と警戒心が強くて、新しいものを受け入れません。
そういった意味では、昔と変わらない製法のクラシックなパンを好む、というのも頷けます。
今回ご紹介したパン達はスタンダードなものばかりなので、美味しいパンの「基準」として見極めるのに役立つかと思います。
フランス発のパン達が、日常にちょっとした幸せをもたらしてくれますように。