本当の自分であることの大切さ 映画「リリーのすべて」

私のパソコンのデスクトップには「イケメン」というフォルダがあります。
数年前、職業訓練校の講師をしていた時にファイルとフォルダの説明をするために作成したものなのですが
「真面目にやれ」
という代表の一言でお倉入りになってしまったものです。
もったいないので映画などを観ているときに気に入った俳優さんの表情などをスクショしたものを入れています。
数日前、久々にフォルダを開き、画像を確認していたらあることに気づきました。
「あら、私のお気に入りの俳優さんってイギリス出身の人が多いんだな」と。
コリン・ファース、ティム・ロス、ジュード・ロウ、オーランド・ブルーム、ダニエル・クレイグ、トム・ホランド、タロン・エガートン、トム・ヒドルストン…。
なんでなんだろう?
紳士だから?
うーん…。
首をひねる私に息子が後ろからパソコンの画面を観て一言、
「なんか、みんな肉より魚食べてそう」
「それだ!!」
そうです、多分、肉食系ではなく草食系だからなんだ。息子は魚と言ったけれど…。
ああ、なんかスッキリしました。(あくまでも私のイメージです。違っていたらごめんなさい。)

さて、今回ご紹介する映画は「リリーのすべて」です。主演のエディ・レッドメインもイギリス出身ですね。



では、あらすじを簡単に

1926年、コペンハーゲンで、デンマークの風景画家・アイナー・ヴェイナーは画家としての成功を収めていました。妻のゲルダも画家で、主に肖像画を描いています。アイナーとゲルダはお互いにとても愛し合っていたのですが、中々子供には恵まれません。
ある日、ゲルダは制作中の絵のモデル(ダンサーで友人のウラ)が来られなくなったため、ウラの代役をアイナーに頼みます。
タイツを履きドレスを身体に充てるアイナーは、不思議な感覚に囚われます。
ある日、ゲルダは舞踏会に招待されました。そして冗談混じりで、アイナーにも女装して舞踏会に行こうと誘います。
ゲルダは歩き方からダンスなどの作法をアイナーに教え、化粧を施しました。ドレスを纏ったアイナーはアイナーの従姉妹“リリー・エルベ”として舞踏会に参加します。
そして、そこで出会った男性とのキスをきっかけに、アイナーは自分の内側に潜む女性の存在に気づき始めます。

作品情報

監督はトム・フーパ―です。イギリスはロンドン出身の映画監督でありテレビドラマの演出家としても活躍されています。
『英国王のスピーチ』(2010年)でアカデミー監督賞を受賞しています。
『レ・ミゼラブル』(2012年)『キャッツ』(2019年)も彼の監督作品です。

主演はエディ・レッドメインです。1982年生まれイギリス出身です。
トム・フーパ―監督作品の『レ・ミゼラブル』にもマリウス役で出演しています。
2014年 『博士と彼女のセオリー』にてスティーヴン・ホーキング博士を演じ、第87回アカデミー賞主演男優賞を受賞しています。

そして、妻ゲルダを演じたのはアリシア・ヴィキャンデルです。
1988年生まれスウェーデン出身の女優です。
幼い頃からバレエを習い、プリンシパルダンサーになることを夢見ていたそうです。
所作の美しさはバレエのたまものですね。
2012年『アンナ・カレーニナ』でキティ役を演じ国際的注目を集めました。

ああ、切ない

物語の主人公は世界初の性別適合手術を受けたリリー・エルベ。実在した人物です。
身体的な性と自己認識している性の違いに気づき戸惑うアイナー。
1926年、この古い時代の人々はアイナーを「精神異常だ」と言います。
しかし「精神病ではない」と言ってくれる医師に出合い、彼は救われます。
技術も、設備も伴っていない壮絶な手術を受けてまで、本当の自分で人生を送りたかったのです。
最初は違和感のあったアイナーの女装姿も彼が自分の中の本当の性に気付いてからは仕草も女性そのものでとても美しい。
演じているのが男性だとは思えないほど…。
そして、愛する夫を失う苦しみ、葛藤を抱えながらアイナー=リリーを受け入れようともがき、でも、最後まで支えたゲルダの献身的な愛。
愛した人がそこにいるのにいない…。なんとももどかしい。胸が張り裂けそうな感情が伝わってきて苦しくなってしまいます。
とても切ないけれど、心打たれる映画です。

【リリーのすべて】
監督:トム・フーパー
原作:デヴィッド・エバーショフ
『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』
出演者:エディ・レッドメイン
アリシア・ヴィキャンデル
マティアス・スーナールツ
ベン・ウィショー
セバスチャン・コッホ
アンバー・ハード
製作年:2015年
製作国:アメリカ・イギリス・ドイツ

※画像はAmazonより引用させていただきました

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