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アデル、ブルーは熱い色

恋人同士の出会いと別れを鮮烈に描いた映画「アデル、ブルーは熱い色」

夏の暑さは未だに後を引いていますが、朝の空気、夕方の空気は少しずつ秋の訪れを感じさせてくれます。
リンゴも色づいて来ているし、ぶどうは今がシーズンです。

私は10月生まれなこともあってか四季の中では秋が一番好きです。
木々が赤や黄色に染まって、夏は嫌いなのですが、何となく夏が終わった寂しさを感じる情緒的で静かな季節ですよね。

衣服や靴、バックなどのファッションも秋物が一番素敵に感じます。
特に、大人っぽい色使いに購買意欲が刺激されます。
こっくりとした深い赤、枯葉色、くすんだ緑、赤っぽい茶色…。
そして何となくレトロでクラッシックなデザインが多くないですか?
見ているだけでうっとりしてしまいます。

あ、でも秋になったら1歳年とるんだった。
もうそんな時期なんだ。
やだ、1年って過ぎるのがとっても早いわ。

さて、今回ご紹介する映画はフランス映画「アデル、ブルーは熱い色」です。
フランス映画って情緒的で秋っぽいと思いませんか?

では、あらすじを簡単に

アデルは高校2年生。1つ上のトマとのデートの待ち合わせ中に見た青い髪の女性になぜか心をうばわれ、忘れることが出来ません。
その後、トマと身体の関係を持つのですが頭にチラつく青い髪の女性に囚われ、満たされないまま。
悩んだ末、恋愛関係を解消することにしたアデル。
トマを傷つけたことや友人関係でもモヤモヤしたものを抱え、アデルは落ち込みます。
ある日、そんな彼女を男友達がゲイバーに誘います。
アデルは楽しむ男友達をよそに店を出て、何気なく見つけたバーに立ち寄ります。
そこはレズビアンが多く集まる場所でした。
そして、そのバーにはあの青い髪の女性が…。
彼女の名前はエマ。画家を目指し、美術系の大学に通う大学生です。
翌日、エマはアデルの学校に現れ、アデルを誘い出します。
木のベンチに座り、エマはアデルを描きます。
知的でクールなまなざしを持つエマにアデルは急速に惹かれていきます。
また、エマもアデルに惹かれ、2人はエマのアパートで結ばれます。

作品情報

監督・脚本を務めたのはアブデラティフ・ケシシュです。
『身をかわして』(2003年)と『クスクス粒の秘密』(2007年)はセザール賞で作品賞、監督賞、脚本賞を受賞しています。
2013年の第66回カンヌ国際映画祭では『アデル、ブルーは熱い色』がコンペティション部門で上映され、最高賞のパルム・ドールを受賞しました。
そして、監督だけではなく主演の女優2名にも同じくパルム・ドールが贈られました。
これは長い歴史を誇るカンヌ国際映画祭でも史上初ということです。

原作はジュリー・マロによる2010年のフランスのグラフィックノベル『ブルーは熱い色』です。
日本でも発行されているようですよ。

主演のアデルはアデル・エグザルホプロスです。
長編映画デビュー作は15歳の時。ジェーン・バーキンが監督した『Boxes』です。
『アデル、ブルーは熱い色』に出演したときは19歳でした。

もう一人の主演エマを演じたのはレア・セドゥです。
2006年に『Mes Copines』で女優としてデビュー。
2008年、『美しいひと』で第34回セザール賞の有望新人女優賞にノミネートされました。
そして、翌年にはクエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』への出演でハリウッドに進出しています。
モデルとしても広告出演等されているようですよ。

とてもリアル

この作品は女性同士の恋愛と10分間という長い性描写が注目されがちですが、内容は恋人同士の出会いと別れを描いたラブストーリーだと思います。

しかし、女優2人の表情のアップを執拗に捉えるカメラワークはエマにのめり込んでいくアデルの世界の狭まりが感じられ、熱い息遣いが聞こえるかのよう。

寂しさによるアデルの浮気によって2人は別れます。
しかし、エマを失ったアデルの身に着けるものや周囲には青が目立ち、それが別れてもエマを求めるアデルの目を通して見ているように感じられ、とても切なくなりました。
2人の別れは前半での些細な価値観のずれなどでうすうす感じられますが、豪快に鼻水をたらし号泣するアデルの姿は見ていられないほど胸が痛い。
そして怒ったエマは山猫のようで怖かった。
とてもリアルな描写でドキュメンタリー作品を観ているような気分になりました。
長いセックスシーンも2人の身体の造形が美しすぎて生々しいいやらしさは感じません。
けれど、やっぱり長すぎると思うな。2分ぐらいで飛ばしてしまった(笑)

【アデル、ブルーは熱い色】
監督:アブデラティフ・ケシシュ
脚本:アブデラティフ・ケシシュ
ガリア・ラクロワ
原作:ジュリー・マロ
『ブルーは熱い色』
『ブルーは熱い色 Le bleu est une couleur chaude』日本語版(発行 DU BOOKS)
出演者:アデル・エグザルホプロス
レア・セドゥ
製作年:2013年
製作国:フランス

※画像はAmazonより引用させていただきました

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