楽しく読めてしかも知識が身につく、ウィルスが蔓延している今だからこそ読みたいマンガ「はたらく細胞」清水茜著
私は頭痛持ちです。気圧の変化などにはめっぽう弱いです。
この時期だと花粉症も重なるので、痛み止めを服用するかアレルギーを抑える薬を服用するか選択を迫られる日が結構あり辛いです。
頭痛に襲われた日によくやるのが自己暗示です。
「自分の体に起きていることなので何とかコントロールできるはず」
「やればできる、頑張れ」
と言い聞かすのですが、いまだに効いたことはありません。
なるべく薬を服用しないようにと思ってやるんですけどね。
ああ、気のせいで済ませられたらどんなに助かるか。
10年ほど前のことなのですが、美容関係の知り合いに遺伝子検査をしていただいたことがあり、それによるとかなり強力で面白い遺伝子の持ち主なんだそうです。
どのように強力なのか聞いた覚えはあるのですが、専門用語過ぎて忘れてしまいました。
だから、頑張れるはずだと勝手に今も思っているんですけどね。
さて、今回ご紹介する作品は清水茜著「はたらく細胞」です。
私たちの体の中でどのように細胞たちが頑張っているのかが描かれています。
ではあらすじを簡単に。
物語は酸素の運搬をする新人赤血球さんが迷子になり、恐ろしい肺炎球菌に襲われかけたところ、細菌を駆除する役割の白血球1146さんに助けられたことから始まります。肺炎球菌!スギ花粉症!インフルエンザ!すり傷!次々とこの世界(体)を襲う脅威の数々。その時、体の中ではどんな攻防が繰り広げられているのでしょう!?白血球、赤血球、血小板、マクロファージ、記憶細胞、キラーT細胞、NK細胞、B細胞、マスト細胞…etc.人間の細胞の数はおよそ60兆個!彼らは皆、体の中で休むことなく働いていています。体内に入ってきた細菌・ウィルス・異物には徹底抗戦! そこには細胞たちの知られざるドラマがあるのです!
作者の清水茜さんはこの作品がデビュー作です。
細胞を擬人化するというのは、妹さんが高校生の頃、理科で免疫の勉強をしていた時に「漫画で覚えたいから漫画にしてほしい」と言われ短編漫画を描いたことがきっかけだったようです。
今作は単行本5巻などシリーズ累計販売なんと330万部以上!
さらに、2018年7~9月にTVアニメ放送されると、その人気は子供たちにも広がります。
そして医療関係者からも正しい描写がされていると高く評価されています
昨年5月、あまりに暑い日が続いたため、漫画、アニメの「熱中症」回が無料公開され、さらにポカリスエットとコラボしたアニメも話題になりました。
すべての登場人物、いえ、細胞ですね。
それぞれの働きにマッチしたキャラクター設定、そして描写が秀逸です。
デビュー作とは思えないほどの画力の高さも素晴らしい。
例えば主役と言っていい表紙の2人。
赤血球ちゃんは全身に酸素を送ることが仕事なのですが、迷子になりがちなドジっ子で、常に荷物を持っていて宅配便業者のようなイメージです。
白血球1146さんは白の作業着姿で髪の色も真っ白。
無口で寡黙なイメージですが細菌を駆除するときは人格が豹変します。
その他のキャラもキラーT細胞さんたちは軍隊のように統率が取れているのですが、荒っぽくて少し怖いイメージです。
血小板ちゃんたちはなんと子供!
そんな個性あふれるキャラクターたちが、一生懸命働いているさまは「私も頑張ろう」と勇気をもらえます。
何よりも、私たちの体の中で24時間365日休むことなく懸命に働く細胞さんたちを見ていると「無理しちゃだめだな」と体をいたわりたくなります。
現在、新型肺炎の感染が拡大しています。
無理をせず、細胞さんたちが働きやすい健康な状態でいられるように、自己管理をしっかりすることが必要なんだと思わせてくれる作品です。
楽しく読めてしかも知識も身につく、この時期にピッタリの漫画ではないでしょうか。
はたらく細胞
著者:清水茜
出版社:講談社
発行:2015年7月9日 第1巻発売
※画像はAmazonより引用させていただきました