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ガーンジー島の読書会の秘密

本が繋ぐ絆と悲しく美しい“秘密”映画「ガーンジー島の読書会の秘密」

いつの間にすっかり秋めいて過ごしやすい季節になりましたね。
とは言え、昼夜の寒暖差があるので体調を崩しがちな今日この頃です。

私は数日前からくしゃみと鼻水が止まらず「これはイネ科の花粉のせい」とやり過ごすつもりでしたがどうやら風邪のようでした。
そろそろ夏物のパジャマで寝るのはよした方がいいですね。

皆さんは秋の夜長、どんな風にお過ごしですか?

映画や読書にはうってつけな季節です。それぞれの趣味や楽しみを深めるのもいいですね。

さて、今回ご紹介する映画は「ガーンジー島の読書会の秘密」です。秋の夜長に相応しい素敵な映画です。



では、あらすじを簡単に

第2次世界大戦後のロンドン。若き女性作家のジュリエットは大戦で家族を亡くしています。
現在は作家として著書もあり、そして軍人の恋人ともよい関係を築いています。
しかし、家族を失ってしまった喪失感と自分だけが生き残ってしまったという罪悪感…。戦争の傷跡は彼女の心に影を落としています。

そんな中、第二次世界大戦時、イギリスで唯一ドイツの占領下におかれた“ガーンジー島”の「読書とポテトピールパイの会」のドーシー・アダムズから、一通の手紙が届きます。
それをきっかけに文通を始めた2人。
戦時下のガーンジー島、そして唯一の憩いの場であったという「読書とポテトピールパイの会」に興味を持ったジュリエットは島に直接赴き、取材をして記事にしたいと考え早速行動に移します。
そして文通相手のドーシー・アダムズにさえ連絡せず島を訪れます。
突然来たジュリエットに戸惑いを隠せないメンバーもいましたが彼女が読書会に参加することで徐々に打ち解けていきます。
しかし「読書会のことを記事にしたい」という彼女の願いは聞き入れられず。
会の創設者エリザベスについても固く口を閉ざすメンバーたち。
彼らが抱える秘密はいったいなに?

作品情報

監督はマイク・ニューウェルです。
1977年に映画監督としてデビューし1994年公開の『フォー・ウェディング』では英国アカデミー賞とセザール賞を受賞しています。
代表作に2005年に公開された「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」があります。

主演を務めたのはリリー・ジェームズです。
2015年に日本公開でも公開されたディズニー映画『シンデレラ』でヒロイン・シンデレラ役をオーディションで勝ち取り一躍脚光を浴びました。

心の拠り所

「読書とポテトピールパイの会」の“秘密”は冒頭に明かされているので会が創設された経緯について私たちはあっさり知ることが出来ます。

戦時下、ガーンジー島はナチスの占領下におかれ家畜を奪われた住民は代わりに与えられたジャガイモを主食としていました。
会合や集会も禁じられている中でエリザベスを中心とした住民たちは、隠しておいた密造酒などを持ち寄りほんのささやかな贅沢を楽しんでいました。
しかしその帰り道、兵士に見つかりとっさに「読書とポテトピールパイの会」と言い繕ったエリザベス。
文化的な集会はしてもよかったようです。

そして「読書とポテトピールパイの会」は純粋に読書を楽しむ会になりました。
悲惨な現実を忘れ物語の世界を語り合う会はいつしかメンバーの心の拠り所になっていきます。
では皆が隠そうとしている秘密は?
そう、姿を見せないエリザベスに関係しているのです。
一体彼女の身に何が起きたのか?残された彼女の幼い娘の父親は誰?

「美しい風景の島と秘密」と聞くと横溝正史作品の金田一耕助が登場してもおかしくないシチュエーションです。
しかし、徐々に明かされる秘密は悲しくも美しく、占領時において繋がれたメンバーの絆の深さが感じられ胸が締め付けられます。

美しい島の背景にマッチした衣装も見どころの一つ。主張し過ぎないさりげない上品さがあってお洒落ですよ。

ミステリー要素を含みつつ、人の温かさ強さが静かに心に染み入る上質なヒューマンドラマです。

【ガーンジー島の読書会の秘密】
監督:マイク・ニューウェル
脚本:ケヴィン・フッド
ドン・ルース
トーマス・ベズーチャ
原作:メアリー・アン・シェイファー
アニー・バロウズ
『ガーンジー島の読書会』
出演者:リリー・ジェームズ
マイケル・ユイスマン
グレン・パウエル
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ
製作年:2018年
製作国:イギリス・フランス

※画像はAmazonより引用させていただきました

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