漆黒のスーツに身を包んだ若き王。祖国を、世界を守る！映画「ブラックパンサー」

2020年8月28日。
ハリウッド俳優、チャドウィック・ボーズマンさんが43歳という若さで死去されました。

次回の記事は「ブラックパンサー」を紹介しようと考えていた私に飛び込んできた信じられないニュースに愕然としました。

本当に、ちょうどその時、「ブラックパンサー」を観ていたのです…。
知らせてくれたのは1人で映画を見に行っていた息子です。

MCU（マーベルシネマティックユニバース）の作品の中では一番好きな作品と言っていた息子も、ショックが相当大きかったようです。
その日に観た映画の内容も頭に残ってないくらい。

その夜、改めて親子でこの作品を観ました。
ふと息子を見ると彼の目からは涙があふれていました。

久しぶりに親子で泣いたこの日はずっと心に残るでしょう。

では、作品を紹介します。チャドウィック・ボーズマン主演MCU作品「ブラックパンサー」です。

太古の昔、宇宙からの隕石がアフリカの地に墜落しました。
“ヴィブラニウム”と呼ばれる鉱石で出来た隕石はアフリカの地中に大きな鉱床を築きました。

時は現代、ワカンダ共和国は、表向きは農作業が盛んな発展途上国ですが、実は最新のテクノロジーを持つ超文明国です。
そして、ダイヤモンド以上の硬度と強度を持ち、衝撃の吸収にも優れ、植物さえも強大なパワーを秘めたものに変異させる、世界を変えてしまうような力を秘めた貴重な鉱石、“ヴィブラニウム”が存在する国。ワカンダ王国。
ホログラムに隠されたこの国は“ヴィブラニウム”の産出国であり、それは国の大きな秘密なのです。

父王の突然の死により王位を継いだ若き王ティ・チャラは国の秘密を守る重責を抱え、そして秘密を狙う悪に立ち向かいます。
漆黒のスーツを纏う超人的な力を持つ「ブラックパンサー」として…。

監督はライアン・クーグラーです。
『フルートベール駅で』やロッキーシリーズのスピンオフである『クリード チャンプを継ぐ男』で注目されました。
『ブラックパンサー』は批評家からの評価も高く、マーベル映画としては初のアカデミー作品賞を含む7部門のノミネートを受け、衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞の三部門を受賞しました。

『ブラックパンサー』はマーベル・シネマティック・ユニバースシリーズ生誕10周年記念作品で、黒人の監督による黒人を主人公にした映画として注目されました。
キャストやスタッフも大半が黒人でヨーロッパやアフリカをはじめ世界中からアフリカ系のプロフェッショナルが集結していた作品です。

舞台になる架空の国ワカンダは農牧業が盛んで古来からの文化と歴史と伝統を有する発展途上国、と言うのは表向き。
実は希少鉱石“ヴィブラニウム”の研究を進め、最先端の科学技術や高度な医療技術などの文明を急発達させている、地球上でもっとも発展した超国家なのです。

父である前国王の後を継ぎ若き国王に就任したのがチャドウィック・ボーズマンさんが演じる“ティ・チャラ”です。
そして、驚異的な戦闘能力を持つ“ブラックパンサー”でもあります

国王として国の“秘密”を守る使命を背負わねばならないティ・チャラ。
しかし、父が犯した罪は王位継承への争いとなります。
国が抱える歴史的な問題、それをいかに正しい方向に導くか苦しみ、葛藤する若き王を圧倒的な存在感で演じたチャドウィック・ボーズマンさん。
たたずまいからして高潔で王そのものに感じられます。

そして、彼を支え、彼の力として存在する女性陣の力強さ。
妹、シュリは頭脳で、オコエは護衛として若き王を支えます。
そして、貧しさ故、悪に染まってしまうキルモンガーのやるせなさ。
悪役とはいえ、悲しい身の上に同情してしまいます。

スタイリッシュな戦闘シーンやスパイ映画さながらの最先端の武器の数々はヒーロー映画としても見ごたえのある作品です。

ヒーローが白人のキャラクターばかりだった過去からの脱却。
アフリカ系のヒーローの誕生は歴史に残る作品となりました。

改めてチャドウィック・ボーズマンさんのご冥福をお祈りします。

【ライアン・クーグラー】
監督：グスタフ・モーラー
脚本：ライアン・クーグラー
ジョー・ロバート・コール
原作：スタン・リー
ジャック・カービー
出演者：チャドウィック・ボーズマン
マイケル・B・ジョーダン
ルピタ・ニョンゴ
ダナイ・グリラ
マーティン・フリーマン
アンジェラ・バセット
フォレスト・ウィテカー
アンディ・サーキス
製作年：2018年
製作国：アメリカ

※画像はAmazonより引用させていただきました