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細野晴臣 活動50周年記念ドキュメンタリー映画「NO SMOKING」音楽家・細野晴臣が自由に生きた50年の歳月にゆったりと身を委ねて



1970年前後の約4年という短い活動期間ながら、その後も日本のポップミュージックシーンに大きな影響を残したバンド、はっぴいえんど。
そして歌詞のないインストゥルメンタル楽曲をメインとしながら、当時としては斬新なシンセサイザーサウンドを生かし、世界的にも高い評価を得たYMOことイエロー・マジック・オーケストラ。
日本の音楽史に燦然と名の輝く両バンドの立役者とも言うべき存在が、2020年に御年72歳、そして音楽家生活50周年を迎える細野晴臣です。
そんな彼が、これまでの音楽家生活をどのようにして、またどのような人々に囲まれ歩んできたのかが、ドキュメンタリー映像として一本の映画となった作品。
それが今回ご紹介する「NO SMOKING」です。

映画のナレーションを務めるのは、兼ねてから細野晴臣の音楽のファンを公言していた星野源。
聴く者を穏やかな気持ちにさせる彼の優しい声は、マイペースながらもどこかチャーミングな雰囲気をまとう細野晴臣のこれまでを語るにはうってつけとも言えるでしょう。

この作品では、そんな穏やかでお茶目な彼の生まれや育ち、はっぴいえんどという音楽がどのようにして生まれたのか。
そして、結果として世界に名を馳せるユニットとなったイエロー・マジック・オーケストラの活動を、当時彼がどのような心持ちで行っていたか。
日本の音楽業界に50年間関わり続けてきた細野晴臣だからこそ語る事のできる非常に興味深いエピソードが、彼自身の口からゆっくりと紡がれていきます。

貴重な当時の映像や、近年の細野晴臣自身のライブ活動の映像などが織り交ぜられた約100分の映像の中に登場する、彼に縁の深い著名人の姿も見逃せません。
今の音楽業界にとってはレジェンド級の存在である、バンドメンバーであった大瀧詠一、松本隆、坂本龍一、高橋幸宏。
また横尾忠則や宮沢りえや水原希子など、音楽界以外にも彼を慕う人々がたくさんいるということもうかがえる映像となっています。

終始一貫して、細野晴臣本人の纏う雰囲気のように穏やかに、そして緩やかに展開されていくこの映画。
音楽や映画といった特定のものだけではなく、日本のカルチャーというものを総じて愛する人々にとって、非常に上質な時間を堪能することのできる100分なのではないかと感じました。
愛する煙草の煙を燻らせながら優しい笑みを表情に湛え、ともすれば周囲の人々が思わずくすりと笑ってしまうようなチャーミングなステップを踏む細野晴臣。
肩の力を抜いて、自分が楽しいと思えることを追求して生きる。
そんな彼の姿に、人が自由に生きることはなんと素敵なことか、と大人としての憧れを持つ方も少なくないでしょう。

「自由にふれると、心が躍る。」
映画の終盤のインタビューの中で、そう彼は語っています。
緩やかな風に乗って流れてゆく煙草の煙のようにゆらゆらと、細野晴臣の音楽は何に囚われることもありません。
毎日の忙しさに、かれこれ自由な時間など忘れてしまっている。
そんな人にこそ、日々の喧騒から少しだけ距離を置いて、ゆったりと楽しんで頂きたい。
彼の穏やかな言葉と音楽は、皆さんの身も心も癒してくれることでしょう。
この映画を通して、細野晴臣の紡ぐ物語に身を委ねてみて下さい。
きっと細野さんは柔らかな笑顔で、いつでも私たちを暖かく迎え入れてくれますよ。

※画像は公式サイトより引用させていただきました

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