19世紀末の芸術に魅了されすぎたら世界が広がった☆the decadence☆ Vol.3 【ファッションセンスをUP-ふたたびの展覧会編】
皆さん、こんにちは。
前々回からファッションセンスUPの仕方について、私自身がプロの方々に教わってきたアプローチ法を順番に書かせていただきました。
今回は、同テーマの完結編、ふたたび展覧会へ足を運んでのファッションセンスUPに繋がる芸術作品の鑑賞の仕方をお話したいと思います。
だだし、第1回目で書かせていただいたように、ファッションを入り口として展覧会を楽しみ、芸術鑑賞を日常化する。
最終的には、自分自身の芸術の楽しみ方を見つけるための第一歩になることを願っての内容であることを頭の片隅に置いておいてくださいね☆
ところで、自分の中で、ずっと疑問に思っていることがあります。
芸術鑑賞をしたいけれど、芸術の「正しい」見方が分からない、という声を時々耳にするのですが、私自身も「正しい」見方なんて分かりません。
というのは、少なくとも周りの、芸術好きの方々を見ていると、ひとりひとり見方が違うのです。
共通点は、皆がぞれぞれに自分自身の見方で楽しみ、さらにそれを日常や創作活動のなかに取り入れている、ということです。
だから、芸術の「正しい」鑑賞の仕方を知らなければ芸術は楽しめない、と思っているとしたら、とても残念なことだと思います。
きっと正解なんてないんですよね。
勿論、芸術作品の見方に関する書籍はあふれるほど存在し、それらを読むことはとても楽しく、興味深いと思います。
私自身、好きな著者がいて、その方の書籍が出版されると即購入しています。
でも、こういった書籍は、芸術作品に関する「知識」を得るためであり、視野を広げるためです。
自分だけでは気付かないことがたくさんあるので、無知のままでいるのは勿体ないと思い購読しています。
ふと思い出したのですが、依然読んだ書籍か何かに、科学と芸術の違いについて書いてありました。
科学は進歩するもので、新しいものがより優れているのに対し、芸術では、科学と同じことは必ずしも当てはまるものではない、といった主旨の文章でした。
この考え方って、ファッションにも当てはまるのではないかな、と個人的に思っています。
というのは、展覧会で目にする絵画、特に20世紀初頭以前に描かれた絵画の中の人物の纏っている衣装は、現代のファッションに劣らず魅力的なアイテムや着こなしがいっぱいです。
例えば、18世紀フランスのロココ主義の画家、ジャン=アントワーヌ・ヴァトー(Jean-Antoine Watteau, 1684-1721)の「イタリアン・コメディアンズ」(The Italian Comedians, c1720)には、15名の人物が描かれていますが、彼らの纏っている衣装は、男女問わずお洒落で、現代のファッションのデザインや着こなしのヒントがたくさん描かれているなあ、と感じます。
個人的に好きな画家のひとりです。
Antoine Watteau
The Italian Comedians 油絵/ 63.8 × 76.2 cm/所蔵:National Gallery of Art(U.S)
※https://images.nga.gov/?service=asset&action=show_zoom_window_popup&language=en&asset=149507&location=grid&asset_list=149507&basket_item_id=undefinedより引用させていただきました
当時のファッションは、現代では女性用と思われるアイテムが男性用のものだったりします。
男女ともにアクセサリー、衣服、靴などのアイテムや着こなしがとてもお洒落で、こういう感じいいな、と思ったら自分なりに普段のファッションに取り入れることができます。
また、女性の化粧の仕方も参考になります。
個人的には特に、男性用のブーツや衣服のフリル、女性の衣装のコーディネートや化粧が好きで、たくさん観ているうちにその歴史を知りたくなり、書籍やウェブサイトで調べたりしています。そういった興味もあって、ほんまお洒落やなあ、とウットリしながら絵画を観ています。
また、現代の多種多様な分野のクリエイターやアーティストが様々な時代の芸術作品からインスピレーションを得ていることは勿論ですが、そういった創造性を、私たちも日常の個人レベルで取り入れることができます。
まだ、カメラのなかった時代。
その役割を担っていた絵画に描かれた人物の衣装を細やかに観ることは、自分なりのファッションセンスUPに繋がります。
また、「様々な時代の衣装」という幅広いカテゴリーの中からなら、自分にとって、これだ!!と思うお洒落も、より見つかりやすくなるのではないでしょうか。
「お洒落になりたい」という思いから展覧会に足を運ぶことが、いつか自分なりの芸術作品の見方に繋がるかもしれませんね。
当然のことながら、すべての絵画を展覧会に足を運んで見ることは不可能なので、ネットでキーワード検索をかけたり、外国語に精通しているなら海外の美術館サイトに直接アクセスし、所蔵ギャラリーを観ることも可能です。
美術館サイトの中には、絵画をダウンロードできるようになっているところもあるので、自分だけのコレクションとして楽しむこともできそうですね。