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ファンだからこそ知る豆知識も満載!フジファブリックのおすすめMV5選



「若者のすべて」や「赤黄色の金木犀」など、季節の風を感じるような切なさや人の心情の機微を表現した名曲で、今もなお多くの人に愛され続けるフジファブリック。
唯一無二の存在であったボーカル志村正彦を失ってなお、歩みを止めず彼らは今日まで歩き続けています。

本日は皆さんに、そんなフジファブリックの楽曲の中でも特にチェックして頂きたい名MVを5本ご紹介!
新旧どちらのフジファブリックの良さも感じられるようなラインナップを揃えました。

桜の季節


まずこちらは彼らの記念すべきメジャーデビューシングルとなった「桜の季節」。
フジファブリックの活動の原点です。
楽曲の素晴らしさは言うまでもないのですが、このMVは楽曲を作品としてより素晴らしいものに彩っています。

春という季節が持つ、別れの要素にフォーカスが充てられているこの曲。
MVでは歌詞に歌われる「散ってゆく桜の儚さ」を、2人の女学生の心の機微に準えて表現しています。
しかしこのMVの最も大きなポイントは、曲の主題である桜を一切映像に映していないこと。
言われてみれば確かに、とも思うかもしれませんが、それに気づくまで一切違和感を持たずにMVを見ていた、という方も多いのではないでしょうか。
この映像に桜が一切映されていないのは、実は意図的な演出。
桜そのものの直接的な絵に頼らず、どこまでこの曲の世界観を表現できるか挑戦した結果、完成したのがこの曲のMVなんだそう。

それを知って再度MVを視聴してみて頂ければ、フジファブリックの曲が纏う空気感がいかに綿密なものか、その空気感を映像制作陣が巧みに映像に落とし込んでいるか。
そういったクリエイターの技術の高さに思わず感心してしまうような映像であることが、お分かり頂けるのではないかと思います。

夜明けのビート


続いてご紹介するのは「夜明けのビート」。
映画「モテキ」の主題歌でもあり、ボーカル志村正彦の遺作となったアルバム「MUSIC」収録の1曲です。
実はこの曲が完成したのは志村正彦の死後。
生前彼がこの曲のボーカルやギターソロのデータを残しており、そこから残されたメンバーと、当時サポートを務めていた東京事変のドラマー刃田綴色によって完成した曲なのだそうです。

そんなファンだからこそ知る逸話があったり、映画主題歌ということもあって比較的知名度の高いこの曲。
MVは1人の男が真夜中に、だだっ広い駐車場のような所を踊るように駆けていく姿を粛々と映した映像です。
この男性は映画「モテキ」でも主演を務めた森山未來。
実は映像監督も、映画と同じく大根仁がメガホンを取っています。

現在は映画・ドラマの俳優活動より、コンテンポラリーダンスなどの創作表現に身を置いている森山未來。
映像での躍動を見ていると、元々舞台俳優であった彼が本当にやりたいのはこういった表現だったのかも、とも思わされるような姿ですね。

またこのMV、実は一部のファンの間で、とある映画のシーンがモチーフになっているという説が囁かれています。
その作品とはレオス・カラックス監督のフランス映画「汚れた血」。
劇中でデヴィッド・ボウイの楽曲がBGMで流れるシーンがあるのですが、どうやらそのシーンが噂の元ネタとなっているようですね。
興味のある方はぜひ、映画とあわせてチェックしてみて下さい。

バタアシParty Night


ここからは、フジファブリックが現在の3人で活動再開した後の曲の中からおすすめのMVをご紹介します。
この「バタアシParty Night」のMVは、フジファブリックのMVの中でも非常に珍しい映像と言えるでしょう。
3人のメンバーとなってからは初となる、グルーヴィなサウンドが特徴的なこの曲。
歪んだ音色のベースラインやどこか懐かしさを覚えるようなシンセサイザーの音が非常に耳に残る1曲でもあります。

しかしこの曲、真の面白さはMVにあります。
前述の通り、この曲のMVはフジファブリックとしては非常に珍しい、メンバーが本格的なダンスを披露している映像なのです。
その異色のテイストに、映像公開直後は賛否両論が巻き起こりました。

真剣な顔でどこかコミカルな動きを交えながら、楽曲に合わせてダンスを披露する3人。
初回は「なんじゃこりゃ!?」と思いながら見ていても、だんだん楽曲と彼らのダンスが癖になって何度も見てしまう…。
曲を含めて、見る者を惹きつける不思議な魅力のあるMVだと思います。

カンヌの休日 feat.山田孝之


さらにフジファブリックの魅力が楽曲からもMVからも炸裂しているのが、この「カンヌの休日 feat.山田孝之」。
タイトルの通り、なんとあの俳優・山田孝之をゲストボーカルに迎えた1曲です。
元々音楽への造詣も深く、自身も「The XXXXXX」というバンドで活動した過去や、元KAT-TUNの赤西仁とのユニットを組んだ経験のある山田孝之。
その抜群の音楽センスは、この楽曲でも遺憾なく発揮されています。

様々な名作映画のタイトルが歌詞に織り込まれており、映画好きであればニヤリとしてしまうかもしれません。
まるでカンヌ映画祭を思わせるようなパーティでパフォーマンスをするフジファブリックの面々と山田孝之。
そして彼らに迫る謎の男。
この初老の男性を怪演したのは、実は「天然コケッコー」「リンダリンダリンダ」などの作品で知られる映像監督の山下敦弘。
実はこのMVの映像監督も同時に務められているんだとか。
華やかなレッドカーペットで、フジファブリックと共に歌唱するレアな姿の山田孝之や、山下敦弘監督の奇抜な演技が見られるという、非常に珍しいショットが満載のこのMV。
まさに押さえておいて損はない、そんな一作なのではないでしょうか。

光あれ


最後にご紹介するのは彼らの最新作より、「光あれ」。
名プロデューサー小林武史を迎えて制作されました。
この曲は、緊急事態宣言が解除され新型コロナウイルスに対する情勢もなんとかひと段落した6月初頭に、楽曲のリリックビデオが公開されたばかり。

この映像に映っているのは、令和の時代の新たな風となるべく各界から注目を浴びている15人のクリエイターたち。
ダンサーや俳優、イラストレーターや小説家、喫茶店の店主や鮨職人までが出演。
彼ら自身がこれまで過ごしてきた日々や、彼らによって制作された作品が多数映されています。

新型コロナウイルスによって、まだまだ先の見えない状況が続いています。
芸術やエンターテインメントを担うクリエイターやサービス業の人々は、特に大きな打撃を受けています。
それでも彼らは、歩み続けることを止めてはいません。
仕事がなくなったり、思うような活動ができなくなったり、確かに辛いこともたくさんあるでしょう。
その中でも、フジファブリックの楽曲として世間にドロップされたこの「光あれ」。
この曲は、彼らのこんな状況だからこその明るさや光を象徴するような映像・楽曲となっているようにも思いますね。

私たちは、新型コロナウイルスを完全に克服するという未来まで、先の見えないトンネルの中にいる状態です。
けれど遠くに、光輝くその未来は確かに存在しているのです。
止まない雨はないし、明けない夜もない。
続く自粛生活の中で、そんなほんの少しの希望を、この曲から感じることができるのではないでしょうか。

※画像はフジファブリック公式サイトより引用させていただきました

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