• HOME
  • ブログ
  • 音楽
  • 椎名林檎ベストアルバム「ニュートンの林檎」 この歌を武器に、ガールズウォーを戦え

椎名林檎ベストアルバム「ニュートンの林檎」 この歌を武器に、ガールズウォーを戦え

多くの女性にとって憧れの存在であり続ける椎名林檎さん。
ある時は思春期の少女として、ある時は仕事に全力で打ち込むワーキングウーマンとして、そしてまたある時は子を持つ1人の母として、世の中の全ての女性の様々な想いを音楽に乗せ代弁し続けてきた女性アーティストです。
そんな彼女の初となるオールタイムベストが「ニュートンの林檎~初めてのベスト盤~」が昨秋、彼女の音楽生活20周年を記念して発売となりました。
俗に言うアーティストのベスト盤というものは、これまでに発売してきたシングルやタイアップなど過去の代表的な楽曲を集めた音源とされています。
ですが今回発売された彼女のベスト盤「ニュートンの林檎」には、彼女のこれまでの代表曲だけに飽き足らず、ドラマ主題歌となった「公然の秘密」、宇多田ヒカルとの2年ぶりのタッグとなった「浪漫と算盤」という完全新曲2曲まで収録されているというもの。
さらに、当然過去曲に関しても全楽曲リミックスで最新の音質にアップデートされており、リスナーにいつでも本気で自分の今できる最高の音を伝えたいという彼女の仕事っぷりには、いやはや本気で脱帽させられます。

つい最近もとある音楽番組でのインタビューで、自身の仕事に関して彼女が熱のある口調で語っていたことも話題となりましたが、その佇まいからどこか神格化されることも多かった彼女が、SNSでエゴサーチをしていたりネットの掲示板を非常にこまめにチェックしていたり、我々の想像以上に私たちの生活にとても近しいところにいる存在であるのだと再認識させられたファンもきっと多かったのではないでしょうか。
どこにでもある、ありふれた女性たちの日々の暮らしに寄り添いたい。
自分の音楽は全ての女性たちの生活のサウンドトラックでありたい、という彼女の想いに共感し、感動した方も多い事でしょう。

椎名林檎の歌は、いつだって私たちのものだったのではないでしょうか。
誰しもが彼女の「幸福論」に自分自身の幸福論を照らし合わせ、「ここでキスして」を聴きながら愛しい人への切ない想いを馳せ、「丸の内サディスティック」に自身の生活を重ねたことがあるはず。
自由に、そして奔放に生きる歌の中の彼女に、いつだって多大なる勇気をもらっていたのではないだろうか。

今この瞬間も喧騒溢れる街中を歩く人、人、人。
1人として同じ人生を歩む人などいません。
それでもみな一概に敵は違えど、毎日様々なものと戦っている。
いう事を聞かない自分自身の身体と、気を抜けば一瞬にして押し潰されそうな満員電車と、気の利かない無粋極まりない殿方たちの心ない一言と、いつだって女性は戦っているのです。
椎名林檎の歌はそんな戦いの日常の中で、自身が女性に生まれたことの楽しさや幸せを思い起こさせてくれます。
たまには彼女の音楽と共に、胸を張ってこの愛すべき雑踏の中を歩いていこう。
8センチのピンヒールを高らかに鳴らし、冬物のコートを颯爽と翻しながら。

ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~
アーティスト:椎名林檎
レーベル:Universal Music =music=

※画像はAmazonから引用させていただきました

関連記事一覧