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彼らが本気で編むときは

映画「彼らが本気で編むときは、」あたたかな愛情は血も性別も越えることが出来る

テディベア

最近、相当昔に買ったミシンがまだ使えることがわかってから、妹の手芸熱が高まっています。
楽しそうにマスクを縫ったりマイバックを縫ったりしている姿を見ていると、私も何か作りたい欲がムクムクと湧いてきます。

「そうだ、くま作ろう」

私は、20代の頃、テディベアにはまり、そのうち自分で作るようになりました。
Amazonも楽天もない時代、材料を手に入れるのも大変。
一般的なテディベアに使われているファー生地は高かったし。
手足に使われているジョイントも近くの手芸店にはないし。

そこで、ボディはコットンで手足はボタンで代用して作りました。
小花柄やチェックのくまさんは可愛かったですよ
高さが30cmくらいのもので大体3日ほどかかったかな。

しかし、せっかちな私は早く完成形を見たいので、くまさんは段々小さくなっていきました。

最終的には小指くらい。
そこまで小さくなるとかえって作るのが大変。
いつの間にか作るのをやめました。

と、過去を振りかえった私は、テディベア作りを断念しました。泣

さて、今回ご紹介する映画は「彼らが本気で編むときは、」です。



では、あらすじを簡単に

小学5年生のトモは、母ヒロミと二人暮らし。ある日、ヒロミが男を追って姿を消してしまいます。
ひとりきりになったトモは、叔父であるマキオの職場に向かいます。
母の家出は初めてではないので慣れたもの。
ただ、以前と違い、マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていたのでした。
トランスジェンダーのリンコはトモにおいしい料理を振る舞ってくれました。
更に、トモは母が決して与えてくれなかった家庭の温もりを感じ、母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いながらもいつしか信頼を寄せていくのですが…。

作品情報

監督は荻上直子さんです。2003年『バーバー吉野』で長編映画デビュー。
『バーバー吉野』は第54回ベルリン国際映画祭・児童映画部門特別賞を受賞しています。
代表作に『かもめ食堂』『めがね』等があります。
少し変わった登場人物たちが醸し出す、独特のゆるい空気感、好きです。

「彼らが本気で編むときは、」は、トランスジェンダーの我が子に母親が「ニセ乳」を作ったという新聞記事から着想を得たそうです。
そして、監督が直接その母親に取材をし、脚本を書きあげたということです。

主演のトモを演じるのは柿原りんかさん。映画初出演作です。

トランスジェンダーのリンコを演じたのは生田斗真さんです。
最近ご結婚されましたね。
ジャニーズ事務所に所属していますが、俳優としての活動を主としているので“異色のジャニーズ”と言われているようですよ。
リンコのパートナーを演じたのは桐谷健太さん。
CMの浦ちゃんのイメージが大きいのですが、地味な役もいいですね。

脇を固めるのは、田中美佐子さん、ミムラさん、小池栄子さんなど演技派が勢ぞろい。

多様性

トモの母親は男を追いかけ消えてしまいます。

そこで、叔父のマキオの家に行くことに。
そして、出会ったのが性別適合手術を受けたトランスジェンダーの女性リンコです。

トモは最初、戸惑いを見せます。あからさまに。
しかし、リンコと暮らすうちに徐々に気持ちがほどけていきます。
このトモを演じる柿原りんかちゃんが、自然でとてもいい。

そして、リンコを演じる生田斗真さん。
最初はトモと同じように、私も少し戸惑いを覚えました。
しかし、美しい所作と優しい話し方にとても癒され、トモと同じようにあるいはマキオのようにリンコに惹かれてしまいました。

トランスジェンダーを演じることはとても難しいことだと思いますが、それを感じさせない生田さんの演技力に脱帽です。

メジャーな映画でLGBTをテーマにした作品は、日本ではまだあまり見かけません。
この作品が道を開いてくれたような気がします。

「偏見を持つのはだめだよ」
と言っているのではなく、
「色々な人がいる」
と知ること。
性別関係なく、人間の多様性を知ることが大切なのだなと思いました。

リンコとマキオの部屋はシンプルだけどとても居心地がよさそう。
優しく穏やかで美しい心を持ったリンコの内面を映し出しているようです。
3人で編み物をする姿は本当の家族のようでした。
私も編み物しようかな?
ほっこりと心が温かく、優しい気持ちになれる作品です。

【彼らが本気で編むときは、】
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
出演者:生田斗真
桐谷健太
柿原りんか
ミムラ
小池栄子
門脇麦
柏原収史
込江海翔
りりィ
田中美佐子
製作年:2017年
製作国:日本

※画像はAmazonより引用させていただきました

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