ルイの9番目の人生

ルイの幸せを願わずにいられない 映画「ルイの9番目の人生」

人生で1度だけ、死にかけたことがあります。

それは息子の出産時。

38歳で高齢出産だった私は妊娠中期から妊娠中毒症になり、血圧は恐ろしいほど高く、出産予定日の5日前から入院。
そして、予定日の3月1日に破水したものの子宮口が開かず、急遽、帝王切開での出産になりました。
下半身だけの麻酔でしたので、医師の声や器具を使う音ははっきりと聞こえていました。
すると、いつの間になんだかフワフワとすごく気持ちがよくなってきたのです。

暖かなフカフカのお布団に潜って徐々に眠気が襲ってくるような感じ。

(ああ…。眠い…。)

眼を閉じ眠気に任せてしまおうとしたその時、頬に衝撃が!

「痛い!!」

横にずっと付いていた麻酔医の先生に思いっきり頬をたたかれたのです。

「痛いでしょ?」

「痛いです!私、眠いんです。寝させてください!」

眼をつむり寝ようとする私の頬を今度は思い切り抓ります。

「痛い!!!いい加減にして!」

大声で喚く私に先生は一言。

「寝ると死ぬよ」

「!!!」

その時、足元から赤子の泣き声が…。

「生まれましたよ、抱っこしてください!」

後から聞いたところ、尋常ではない出血量で死にかけ、輸血をしていたそうです。
あのフワフワした気持ちよさは死にかけていたからなんでしょうか?

さて、今回ご紹介する映画は「ルイの9番目の人生」です。



では、あらすじを簡単に

ルイはもうじき9歳の男の子。
少しやんちゃで扱い辛いルイはカウンセリングに通っていました。
そしてなぜかルイは9歳になるまで不思議と事故によく遭う子で、8回も死にかけたことがあります。
生まれたばかりの頃、ルイのベッドの上に天井からシャンデリアが落ちてきてろっ骨を骨折したり、感電死しそうになったり、食中毒はもう慣れっこです。

今日は、ルイの9回目の誕生日です。
ママと家を出て行ったパパと久しぶりにピクニックに来ました。
ところが、ルイは崖から落ちて死んでしまいます。
パパも行方不明になり、警察はパパがルイを突き落としたとして調査し始めます。
しかし、死んだかと思われたルイは検死の直前に息を吹き返します。
ですが依然として昏睡状態に陥ったままの状態です。
担当のパスカル先生はルイを必死に救おうとするうちになんだかママといい感じに。
そして、ルイを取り巻く周囲には不思議な現象が起こり始め…。

作品情報

監督はアレクサンドル・アジャです。フランスの映画監督で脚本家、映画プロデューサーでもあります。
18歳の時に監督デビューしました。
2003年公開の『ハイテンション』がヒットし、ウェス・クレイヴンの『サランドラ』をリメイクした『ヒルズ・ハブ・アイズ』でハリウッドデビューしています。
ホラー作品が多いようです。

ルイを演じるのはオーディションで選出されたカナダの子役エイダン・ロングワースです。
将来が楽しみな美少年!

担当医パスカルは「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェレミー・ドーナンが演じています。

そして母役のサラ・ガドン。
美しいですね。
主にTVドラマに出演されていたようですよ。

母、きれいです。ええ…。

終始、不穏な空気が漂うのですがファンタジー色が強いのと、ルイに起こる数々の災難を少々ポップに軽妙に描いているため、重苦しくはないです。

なにより映像がとてもキレイです。
意識の中でルイが出会う緑色の怪物も不思議と怖くはありません。
そしてこの怪物が重要なカギを握っているのです。

美しい母ナタリーと次第に親密な関係になるパスカル先生のもとに届く謎のメッセージ。
行方不明である父ピーターが本当の父親ではないということ。

なぜルイは事故に遭いやすいのか?

不思議な現象が起こるたび徐々に解き明かされてゆきます。

終盤、ルイは意識の中で緑の怪物と話をします。
初めて子供らしく振る舞うルイの健気さ、泣けます。
昏睡前のルイはとても賢いのだけれど邪悪で不気味な一面もあったのでなおさら。

美しい母ナタリーの衣装も必見。
どんな時代なんだ?と彼女が現れるたびに混乱してしまうほどレトロで可愛らしいですよ。
果たしてルイは目覚めることが出来るのか?目覚めた世界では何が起きている?
秀逸なミステリーサスペンスです。

【ルイの9番目の人生】
監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:マックス・ミンゲラ
原作:リズ・ジェンセン『ルイの九番目の命』(ソフトバンククリエイティブ)
出演者:ジェイミー・ドーナン
サラ・ガドン
アーロン・ポール
エイダン・ロングワース
製作年:2018年
製作国:カナダ・イギリス・アメリカ

※画像はAmazonより引用させていただきました

関連記事一覧