スピード感あふれるストーリー展開は一瞬たりとも見逃せない！ 映画「サンブンノイチ」

幼いころから２歳違いの双子の妹たちとはなんでも平等に分け与えられてきました。

お菓子もジュースもごはんのおかずも三分の一ずつ。
お小遣いもお年玉も同額でした。

私の主人は３つ違いの姉と２人兄弟でした。
男の子が欲しかった主人の母親は息子を溺愛していたようです。
「長男だから」
と、ひとつしかないお菓子なんかは主人の元に行っていたとお姉さん。

ですので、ほぼ一人っ子のような扱いをされていた主人は、分け与えることをしない人でした。

1.5ℓのペットボトルのジュースに口をつけて飲んでしまったり、お菓子も一袋食べきってしまいます。

驚いたのは、初めて食事に行ったとき、2人分のサラダを1人で食べてしまったこと。
いつも3人で分けていた私には驚きの連続でした。

私なんか若いころ、少しお給料があがって喜んでも
「妹たちと1万円も違うのは不公平」
と母親に差額を徴収されていた時もあったのに…。

でも、それはそれでやりすぎですけどね。

息子も一人っ子ですが、幼い時から2人の叔母の
「ちょっと頂戴」
攻撃にあっていたためか
「これ、食べる？」
と聞ける子になってくれました。
黙って食べると流石に怒りますけどね。
当たり前か。

さて、今回ご紹介する映画は「サンブンノイチ」です。

人生の一発逆転を賭け、銀行強盗を成功させた、3人の男。
キャバクラ“ハニーバニー”店長のシュウ、ボーイのコジ、常連客の健さん。
手に入れた数億円もの大金は、3分の1ずつ分け合うはず…でしたが…。
実行後「ハニーバニー」の店内に逃げ込んだ3人は、自分の取り分を少しでも増やすため、仲間を出し抜こうとそれぞれが画策します。
しかし、その金を狙っているのは彼らだけではなかったのです！
なぜならば、計画に携わっていたのは3人だけではなかったから。
キャバ嬢の茉莉亜、計画の立案者、“ハニーバニー”オーナーで闇の帝王・破魔翔、計画を嗅ぎつけた川崎の魔女・渋柿多見子。
果たして大金を手にするのは、最後に勝つのはいったい誰なのか!?
騙し裏切り奪いあいの一発逆転劇！

監督はご存知、お笑いコンビ・品川庄司の品川ヒロシさんです。
長編映画としては「ドロップ」「漫才ギャング」に続く3作目です。
前2作は自身の小説の映像化でしたので、3作目で初の他者原作での監督作品となります。
原作は木下半太さんの小説です。
漫画化もされているようですよ。

主演を務めるのは藤原竜也さん。
結婚してお子さんもいるということを最近知りました。ちょっとショック。
役によってさまざまな顔を見せてくれる大好きな俳優さんです。

そして、元KAT-TUNのメンバーであった田中聖さん、お笑いコンビブラックマヨネーズの小杉竜一さんです。

脇を固めるのは中島美嘉さん、窪塚洋介さん、池畑慎之介☆さんといった濃厚な面々です。
その他吉本興業所属の芸人さんたちも多数出演されています。
相方の庄司さんも出演されていますよ。

物語は銀行強盗で得た大金の分け前を巡る駆け引き合戦が中心となります。

セリフ量がとても多い会話劇になっており、テンポの良いやり取りは舞台を見ているようでした。
漫才を思わせる会話は面白い。
情けない藤原竜也は「カイジ」以来かな？
必見です。
小杉さんの突っ込み、田中さんのおバカっぷりも絶妙にハマっています。

さらに、窪塚洋介さん、池畑慎之介☆さんのブッ飛んだサイコっぷりは、怖くてエグい。
しかし、華があり、徹底的に悪に振り切った演技は逆に爽快でした。
やる気のない棒読み気味の中島美嘉さん演じるキャバ嬢もいい味出しています。

そして、二転三転するストーリーはスピード感があり最後まで飽きさせません。

品川監督の他作品も面白さ満点ですが私はこの作品が一番好きかな？

ハラハラドキドキで一瞬たりとも目を離すことのできない、コメディクライムサスペンスです。

【サンブンノイチ】
監督：品川ヒロシ
脚本：品川ヒロシ
原作：木下半太『サンブンノイチ』（角川書店刊）
出演者：藤原竜也
田中聖
小杉竜一
中島美嘉
窪塚洋介
池畑慎之介☆
製作年：2014年
製作国：日本

※画像はAmazonより引用させていただきました