映画「残穢 住んではいけない部屋」明るい初夏の日中ならホラー映画も攻略できるはず!かも?
犬のせい
私は大のホラー嫌い。
昔はそうではなかったんですよ。
怖いけれど、妹たちや夫とみる分には大丈夫だったんです。
しかし、テレビで放送されていた心霊ドラマを夫と見ていた時のこと。
主人公は廃屋?病院?で女の幽霊に追いかけられ、狭い隙間(トイレかもしれません)に隠れています。
しかし霊の足音は徐々に近づいてきます。
「ペタペタ・・・」
「ドクンドクン・・・」
主人公の心臓の音が高まるにつれ私の心臓もバクバクし始めます。
そして、幽霊の顔が天井から・・・。
その時!
「キャンキャン!!!!!」
隣で寝ていた犬がいきなり吠えたのです。
「ぎゃーぁぁぁぁぁ!!!」
心臓が口から飛び出そうになりました。
それっきり、ホラーは見られなくなってしまいました。
トラウマ。
今回ご紹介する映画は竹内結子主演「残穢」です。
比較的、怖くないと聞いたので頑張って鑑賞しました。
では、あらすじを簡単に
小説家の「私」に読者で女子大生の久保さんから「自分の住んでいる部屋で箒を掃くような奇妙な“音”がするんです」という一通の手紙が届きます。
好奇心にかられた「私」は久保さんと連絡を取り、その原因を調べ始めます。
「箒ではなく、着物の帯が床に擦れているような様子を見た」という久保さんの証言から、「私」は原因を「和装の首つり」であると推測します。
しかし、不動産会社に問い合わせるも、過去にそういった事実はないといいます。
一方、「私」は過去に送られてきた読者相談の中に同じマンションの住人だった人物を発見します。
「私」と久保は「土地に原因があるのでは?」と推測を改めるのですが。
作品情報
監督は中村義洋さん。「アヒルと鴨のコインロッカー」(2006年)「フィッシュストーリー」(2009年)「ゴールデンスランバー」(2010年)など伊坂幸太郎さんの小説の映像化作品が多い印象です。
そして
「お判りいただけただろうか・・・」
心霊特番などでよく使われるナレーションですね。
これは『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズからなのですが、実はこのナレーション、中村義洋さんが勤めているそうです。
おどろおどろしいナレーションが更に恐怖を煽っていました。
そして原作は小野不由美さんです。
「残穢」は2012年7月20日に新潮社より書き下ろしで刊行された小説です。
2013年、第26回山本周五郎賞を受賞しました。
主人公「私」は小野さんと同様のプロフィールを持つことや、実在の人物が登場していることから、ドキュメンタリー風の作品になっています。
主演の「私」は竹内結子さんです。
「久保さん」を演じているのは橋本愛さん。
抑えた演技がこの作品に上手くマッチしています。
脇を固めるのは滝藤賢一さん、佐々木蔵之介さん、坂口健太郎さんです。
3人とも実在の人物を演じています。(映画での役名は違います)
小説家を演じる佐々木蔵之介さんは、彼だとわからないほど妖しい雰囲気でした。
後悔はしていない
全編、日本のホラー映画特有の湿った空気が漂い、薄気味の悪さがじわじわと伝わってきます。
しかし、派手な演出で見せるホラー要素はなく、昔ながらの怪談や都市伝説のような背中がゾクッと来る感じの静かな怖さでした。
怪異の元凶を辿っていく過程を淡々と追っていくのは、ストーリーがしっかりしているので、ホラーというよりミステリー感が強いように感じました。
段々と説かれていく謎は、怖いもの見たさで引き寄せられてしまいます。
とはいえ、鑑賞後、しばらくじんわりとした怖さが続いたことは事実。
私でも鑑賞できる作品ですが、なるべくなら、昼間見ることをお勧めします。
普段見ないジャンルで気持ちを切り替えたい時に、たまにはホラーもいいかもしれません。
※画像はAmazonより引用させていただきました