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映画「アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング」マーク・シルヴァースタイン、アビー・コーン監督 2018年12月日本公開

皆さん、鏡で見る自分の姿と写真で見る自分の姿の違いにがっかりすることってありませんか?

そもそも人間の顔は左右非対称です。
鏡で見るとそれが逆になります。
おまけに照明などの光で若干の補正が掛かっているし無意識にいい顔を作ってしまうというのが鏡の中の私たちみたいですよ。
それと脳内補正もしているようです。
よく「2割増し」と言われますね。

さて今回ご紹介するのは、自分の姿を2割増しどころか8割増しになったと勘違いしてしまった女性が主人公のハートフルコメディです。
では簡単にあらすじを。

ニューヨークに住むぽっちゃり体型のレネー。
その体型が彼女の最大のコンプレックス。
仕事は高級化粧品会社の社員。
けれど、倉庫の地下のような薄暗いオフィスで同じような体型のネイサンと二人きりでパソコンに向き合う毎日。
自分に自信が全くなく友人たちも引いてしまうほどの卑屈さで憂鬱な毎日を送っていました。
しかし、ある日ジムでエアロバイクから転落し頭を強打してしまいます。
目が覚めた彼女が鏡を見ると、信じられないことにそこには絶世の美女が!
「私、美しくなってる!願いがかなったのね?」
いやいやレネーさん、変わってませんから。
そう、頭を強打したせいで幻覚が見えてるんですね。

理想のスタイルと顔を手に入れた(思い込みね)レネー、今までの卑屈さはどこへやら、スーパーポジティブに生まれ変わります。
ここからの彼女が実に面白い。
自分と同じように冴えない友人たちに自分の美しさをアピールしてドン引きされたり、男性にも積極的に話しかけたり、本社の面接で「いずれモデルもやりたい」などと勘違いを炸裂させます。

とは言え、周囲の人たちには今まで通りの彼女なんですから観ている私たちも
「え、ちょっと待って?大丈夫」
と、ハラハラしてしまいます。

ある日彼女は、超絶勘違いが始まった翌日にクリーニング店で知り合い、連絡先を交換した男性イーサンとバーに行くことになります。
そこで行われていた水着コンテストに参加した時の彼女のダンスは圧巻です。
観ていると本当にキュートでセクシーに思えてきます。
バーにいる観客と目線が一緒になるんですね。
最初は「やだ、何あれ」と眉をひそめながら観ていたのが、ダンス後は「素晴らしい!」に変わってしまいます。
もう拍手喝采の大盛り上がりでますます彼女は自信をもってしまうのです。

悶々とした日々を送っていたレネーとスーパーポジティブなレネーの演じ分けが見事な主演女優のエイミー・シューマー。
彼女は人気コメディエンヌで「エイミー、エイミー、エイミー!こじらせシングルの抜け出し方」で第73回ゴールデングローブ賞主演女優賞(コメディミュージカル部門)を受賞しています。
こちらも面白いですよ。

この作品の素晴らしさはレネーのコンプレックスだけを描いているのではなくジムで出会ったマロリーや、会社のCEOでありレネーを気に入り採用したエイブリーのコンプレックスも描いているところ。
(2人とも本当の美女)
人から見るとなんとも恵まれた容姿を持つ彼女たちもコンプレックスを抱えているがゆえに自尊心が低いのです。

これは自身の長所に気づかないというよりも短所、つまり欠点ばかりに囚われているってことではないのかな?と思うのです。
この美女2人の悩みを描くことで
「人はだれしもコンプレックスを抱えているけどそのままの自分で充分素敵なんだよ」
というメッセージが感じられます。

レネーの超絶ポジティブな思考や行動も彼女が閉じ込めていた本来の自分自身なのではないでしょうか?
美人になったと勘違いしているだけでは中々思いつかないような言動を見ると、本当は聡明で頭の回転が速い女性なんだと思います。

映画を見終えたころには晴れやかで明日も頑張ろう!と勇気をもらえる素晴らしい作品です。
新しい年の始まりにスーパーポジティブなレネーに元気をもらいませんか?

※画像はAmazonより引用しました

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