極寒の地の日常。映画「南極料理人」

コロナ過で慌ただしく過ぎ去っていった2020年。
あっという間でした。
新年を無事に迎えられたことはありがたいのですが、2021年は多分我が家にとってはもっと慌ただしくなりそうです。
なぜならば、うちの息子、高校3年生になるのです。
そもそも「苦手な教科?全部」「嫌いな事?勉強」という息子を大学に進学させることは考えてはいません。
しかし、本人は大学や専門学校の資料を学校で見るたび、行きたいという気持ちが湧いてくるようです。
理由は「楽しそうだから」まったく…。勉強することが目的ではないんですよ。
ひとこと「却下」といってやりました。

そんな息子が「俺、やりたいこと見つけた!」
というので「それはなにか?」と聞くと
「南極観測隊!」嬉しそうに答える息子に、母の心は凍りつきました。
どうやら今、視聴しているアニメが、女子高生が南極を目指すという内容らしく、なんと、国立極地研究所の職員らが製作に協力しているのでとてもリアルで面白いのだそうです。
まあ、全否定する気はないのですが夢を持てるということはいいこと、と考えることにします。
そんな息子にお勧めしたのが今回ご紹介する映画「南極料理人」です。
(数日後、呪術師に変わっていましたけど…絶対にふざけている!)



では、あらすじを簡単に

海上保安庁の調理担当だった西村 淳は、派遣される予定であった同僚のケガによって、自身が思わぬかたちで南極観測隊に料理人として参加することになります。
妻、小学生の長女、生まれたばかりの長男を置いての単身赴任で南極にやって来た西村。
彼の任務は、冷凍野菜や缶詰などの備蓄食料を使って、隊員8名分の食事を用意すること。
彼が派遣されたのは昭和基地からも遠く離れた高地にあるドームふじ基地です。
気象学者のタイチョー、雪氷学者の本さん、医療担当のドクター、大学院生の兄やんら8人の個性的な隊員たちとの共同生活が始まりました。

作品情報

監督は沖田修一さんです。2006年『このすばらしきせかい』で初めて長編映画を手掛け、2009年、本作『南極料理人』で商業映画デビューしました。
代表作に『キツツキと雨』(2012年)『横道世之介』(2013年)があります。
原作は西村淳さんの『面白南極料理人』と『面白南極料理人 笑う食卓』です。
主演の料理人西村を演じたのはドラマ「半沢直樹」の堺雅人さんです。昨年、夢中になって観ていたな。記憶に新しいですね。
個性的な隊員を演じたのは生瀬勝久さん、きたろうさん、高良健吾さん、古舘寛治さん、黒田大輔さん、小浜正寛さん、豊原功補さんです。

ラーメンが食べたくなります!

さて、本作のロケ地は南極ではなく、北海道の網走だそうです。
原作者の西村さんの出身地でもあるようですよ。南極じゃなくても十分寒そうなのは伝わってきます。
ドームふじ基地のある所は他の観測地とは遠くはなれており、しかも高地で年間平均気温はマイナス54度以下なのでペンギンやアザラシといった生物も生息していないようです。
そのような壮絶な環境下で400日という一年を越えた日々をどう過ごすのだろう?
しかも、基地の設備のテレビも画像が乱れ、電話代も高い…。
しかし、多分にストレスを抱えるであろう隊員たちは意外に穏やかです。
そして、料理がどれもおいしそう。食欲が刺激されます。
もくもくと食べる隊員たちに最初は「なんでうまい!サイコー」とか言わないんだろう?」と思ったのですが食事は特別なものではなく日々の営みのひとつだからなんですね。
たいして大きな事件が起こるわけもなく、その日常は私たちが送る日常とほとんど変わりはありません。
過酷な環境下においても淡々と日常を送ることが出来るのは、彼らの精神がタフだというのもあるのかもしれませんが、食事って大切ですね、西村が作る料理が隊員たちのストレスを大いに癒しているのだとよくわかります。
ほっこり、まったり癒される映画です。
そして、お腹が空く映画です。

【南極料理人】
監督:沖田修一
脚本:沖田修一
原作:西村淳
『面白南極料理人』
『面白南極料理人 笑う食卓』
出演者:堺雅人
生瀬勝久
きたろう
高良健吾
豊原功補
製作年:2009年
製作国:日本

※画像はAmazonより引用させていただきました

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