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言の葉の庭

映画「言の葉の庭」雨が鬱陶しくて気持ちが沈みがちな今、観たい。きっと雨が好きになる

雨の日の教室で

雨の日の午後の学校。
空が暗くなると教室に電気を点しますよね。
あの雰囲気が、なんだか別の場所にいるような気がして好きでした。

中学生の時、放課後、掃除を終えると急に空が暗くなり空から大粒の激しい雨が降ってきました。

梅雨だったのか、夏の夕立なのか覚えてはいませんが、暗くなった教室でホームルームを終える頃、雷も鳴り始め
「雨が弱まるまで下校しないように」
と先生に言われました。

ほとんどの女子は
「キャー、いやぁー怖い」
と言っていました。
中には泣き出す子も。

でも、私は
「キャー(≧∇≦)」
と、内心はしゃぎながら窓際で雷を見ていたと思います。
変な子に思われたくないので困った顔を作りながら…。
雷、綺麗だと思うのです。
ワクワクするのです。
充分、変な子でしたね。

すると誰かが
「雨の日の教室って好き」
ささやくような声で言いました。
「へ?」
声の主は里香さん(仮)でした。
色白で背が小さくてクリっとした大きな瞳が愛くるしい男子人気NO1の美人さん。
私とは対極にいる存在と思っていたのであまり話したことはありません。

「雷もきれいだよね。」
と里香さん
「音、怖くない?」
「ううん、怖いの?」
「いや、怖くないよ」
「きれいだよね」
「うん」

私と里香さんはしばし言葉を交わしながら、雨が弱まるまでずっと外を見ていました。

きっとこれが男子と女子だったら恋に落ちるんだろうなと価値観を共有できたことの喜びを感じたひと時でした。

さて、今回ご紹介する映画は「言の葉の庭」です。

では、あらすじを簡単に

靴職人を目指す高校生のタカオ(秋月孝雄)。
雨の日は授業をさぼり、ある庭園にあるベンチで靴のデザインを考えます。
ある雨の日、タカオはそこに先客がいることに気づきます。
昼間なのにビールを飲んでいる女性はユキノ(雪野百香里)と名乗ります。
どこか見知ったような彼女に、会ったことがあるかと尋ねるタカオ。
それを否定するユキノ。
そして彼女は万葉集の短歌 「鳴る神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか きみを留めむ」 を言い残してその場をさります。
こうして、次の雨の日もまたその次も、雨の日のつかの間の2人の交流がはじまりました。
タカオは靴職人への夢を語り、味覚障害のユキノはタカオの弁当の味を感じられるようになり…。

新海誠監督

監督は新海誠さんです。
小説家としても活動されています。
(長野県南佐久郡小海町のご出身なので長野県人として勝手に親近感を抱いています。)
代表作も多数あり『君の名は。』そして『天気の子』は興行収入100億円の大台を突破した大ヒット作として知られています。

「新海ワールド」とも称される風景描写の緻密さ・美しさに圧倒されます。
少年と少女の恋愛をテーマにした作品が多い印象です。

この作品は46分と、とても短い作品です。
しかし、そんな中に詰め込まれたひたすら美しい風景。

しとしと降る雨、水たまり、雨上がりの雲からこぼれる光…。
本当にアニメなの?と思うほどリアルです。
見ているだけでため息が出ます。

雨ってこんなに美しいんだなと更に好きになってしまいました。

ストーリーは年の離れた男女の淡い恋が主題です。
余計なセリフもなく静かに淡々と描かれているので風景と相まって切なさが際立ちます。

2人が合う公園のベンチは新宿御苑のベンチがモデルとなっているそうですよ。
お近くにお住いでしたら雨の日に訪れてみてはいかがですか?

短い映画ですので「アニメは苦手」という方にもおすすめです。
雨の日にお出かけしたくなりますよ。
梅雨にピッタリの映画です。

【言の葉の庭】
監督・脚本・原作:新海誠
出演者:入野自由
花澤香菜
平野文
前田剛
小松未可子 
製作年:2013年
製作国:日本

※画像はAmazonより引用させていただきました

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