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オフィーリア

儚さはないが、芯の強さが際立つ新しいオフィーリア像。映画「オフィーリア」

ガラスの仮面

皆さん、『ガラスの仮面』という漫画をご存知ですか?
1976年から連載が始まり、未だに未完となっている作品です。

平凡な一人の少女北島マヤが、ライバルとの葛藤を通して眠れる芝居の才能を開花させ、成長していく過程を描いた演劇漫画です。

私が劇作家であり詩人でもあるシェイクスピアを知ったのはこの作品がきっかけでした。
小学生の頃だったと思います。

主人公のライバルで容姿端麗、父は映画監督、母は女優というサラブレットの姫川亜弓。
彼女が演じたのが「ロミオとジュリエット」の“ジュリエット”です。
恋に落ちたジュリエットを一人芝居で魅せます。
椅子もないのに座った姿勢で小鳥に語り掛ける演技は、北島マヤも衝撃を受けたし私もびっくり。
こっそり真似をしてひっくり返ったのはここだけのはなし。

一方、劇場を追われた「劇団つきかげ」のメンバーが公園の舞台で演じたのが「真夏の夜の夢」です。
主人公の北島マヤは妖精パックを演じました。
妖精らしい軽やかで俊敏な動きを身に付けるため、四方八方からボールを投げつけられ、それを避けるというスポ魂のような特訓をしていました。

舞台は大成功。
マヤのパックは元気でやんちゃで可愛かった。
映画や舞台でシェイクスピアの作品を観るたびにガラスの仮面を思い出します。

さて今回ご紹介する映画は「オフィーリア」です。
シェイクスピアの4代悲劇のうちのひとつ「ハムレット」の恋人ですね。

では、あらすじを簡単に

デンマーク。
ガートルード妃は偶然に出会った少女オフィーリアを気に入って侍女とします。
そして数年後、オフィーリアは美しい女性に成長します。
やがてガートルードの息子ハムレット王子は留学先から城に戻り、出会ったオフィーリアに恋心を抱きます。
しかし王子と侍女の恋は許されないとオフィーリアは彼を拒みます。
ある日、王であるハムレットの父親が毒ヘビにかまれて急死し、ガートルードは王の弟クローディアスと再婚します。
実の母が父親の弟と再婚することにショックを受けたハムレットは情緒不安定になり……。

作品情報

監督はクレア・マッカーシーです。
オーストラリア出身の女性監督です。
代表作に『待っている街』(2009年)などがあります。

主演のオフィーリアを演じるのは、デイジー・リドリー。
イギリスの女優さんです。
2015年に公開された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で主人公のレイを演じ注目されました。
続編の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年)でも、引き続きレイを演じました。
そして2019年『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』では、スター・ウォーズシリーズからの卒業を発表したようですね。

ハムレットの母で2人の王の妃となるガートルードと森の魔女の二役をナオミ・ワッツが演じています。
相変わらず美しいですよ。

そしてハムレットを演じるのは、全編ワンカットで話題を呼んだ『1917 命をかけた伝令』で主演を務めた注目のイギリス人俳優ジョージ・マッケイです。

圧倒的な映像美!

さて、物語は皆さんご存知の「ハムレット」です。
ただし、メインで描かれるのはオフィーリアです。
か弱くて儚い乙女ではなく、知的で芯の強いオフィーリアはデイジー・リドリーにピッタリ合っていました。

私の中ではハムレットは、今まで演じたケネス・ブラナーやメル・ギブソンの、復習に燃える狂気の王子という印象が強いです。
ですが、ジョージ・マッケイのハムレットは迷いがありちょっと頼りなげで、オフィーリアに比べたら幼さが目立つ印象でした。
でも、そんな部分が、この物語の中での彼の役割だと思うとジョージ、悪くないです。

そして、映像、衣装、装飾も文句なく美しい。
特に光の捉え方が繊細で綺麗!

芯の強い行動力のあるオフィーリアに勇気を貰える作品です。

【オフィーリア】
監督:クレア・マッカーシー
脚本:セミ・チェラス
原作:『ハムレット』ウィリアム・シェイクスピア
『オフィーリア』リサ・クレイン
出演者:デイジー・リドリー
ナオミ・ワッツ
クライヴ・オーウェン
トム・フェルトン
ジョージ・マッケイ
ドミニク・マフハム
製作年:2018年
製作国:イギリス・アメリカ

※画像はAmazonより引用させていただきました

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