「KING&QUEEN展」上野の森美術館-前編
皆さん、こんにちは。先日、上野の森美術館にて開催中(2020/10/10-2021/01/11)の「KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語―」に行ってきました。
この展覧会では、ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵の英国王室の肖像画作品が展示されるとのことで、とても楽しみにしていました。
想像以上にステキな展覧会でした。これはもう一度行かねば、と思わせてくれる魅力が溢れていました。
今回の展覧会では、16世紀のテューダー朝(1485-1603)に始まり、現在の王朝であるウィンザー朝(1917-)までの5つのセクションで構成され、英国王室の人々の肖像画が時代順に展示されていました。
16世紀以前の肖像画は存在していないらしいのですが、これはおそらくルネサンスが関係しているのではないかと思います。
14世紀にイタリアで始まり、16世紀まで続いた西洋ルネサンスは、それまでの「神」中心の生活から、古代ギリシャ・ローマ時代のように「人間」中心の生活に再び目を向けさせた文芸復興運動を意味します。
個人や個性が重要視されるようになったことで、肖像画が描かれるに至ったのではないでしょうか。
ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーって何?
ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーは、その名の通りポートレート、つまり肖像画がコレクションされているロンドンの国立肖像画美術館です。
肖像画所蔵作品は、世界最大規模の21万5千点以上!
主に16世紀以降の肖像画が所蔵されています。
所蔵作品は公式ウェブサイトで閲覧することができます。
私はこのウェブサイトがお気に入りで、特に19世紀から20世紀前半に撮影されたモノクロ写真を検索してはうっとり見惚れています。
例えば ‘alice’ ‘wonderland’ でキーワード検索をすると、『不思議の国のアリス』の世界観が再現されたステキな写真が見られます。
ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーには、世界中の絵画と写真の肖像画が数多く所蔵されています。
舞台や演劇、習作や風刺画、彫刻作品など幅広いジャンルの絵画や写真もあり、見どころがいっぱいです。
ウェブサイトから購入できる作品もあります。
お気に入りの写真や絵画を、印刷用紙の種類、サイズ、フレームの種類を選択して、自分好みのスタイルでのカスタマイズができます。
輸送費もかかっちゃいますが、本当に欲しい作品なら購入するのもよいですよね。
KING&QUEEN展での展示作品や、その他の所蔵作品に興味のある方は、ぜひ、公式ウェブサイトに訪れてみてくださいね。
ウェブサイトはとても興味深い発見や魅力が詰まった宝石箱のようです。
う~ん、色々お話したいことがありますが、今回はKING&QUEEN展を鑑賞するなかで興味を持ったストーリーを私的な視点からお話したいと思います。
あの写真家セシル・ビートンも撮影していた!
現在のイギリス王朝であるウィンザー朝のエリアには、写真作品が数多く展示されていました。
その中にはイギリス出身の写真家セシル・ビートン[Cecil Beaton/1904 -1980]が撮影した写真作品もありました!
セシル・ビートンと言えば、オードリー・ヘプバーンを始め、様々な著名人を撮影した写真家として知られています。
その作風はお洒落で美的でステキです!
実際のところ、セシル・ビートンと言えばオードリー・ヘプバーン、というのが私の持っていたイメージでした。
しかしKING&QUEEN展の展示作品にセシル・ビートンの名があるではないですか‼セシル・ビートンは王家の写真も多く撮影しており、中でもエリザベス2世のポートレートを中心に撮影していたようです。全く知らなかった…。
セシル・ビートンが撮影したエリザベス2世の華麗な写真作品は、20世紀、世間に最も知られた作品群のひとつとして人気を博し、写真集も出版されています。セシル・ビートンは王室との友好関係も強かったのですね。
ナショナル・ポートレート・ギャラリーの公式ウェブサイトで、「エリザベス2世」を検索してみると、セシル・ビートンが撮影したポートレート写真が複数ありました!
やはりステキな作風です。お洒落で美的で魅力的な構図でした。
もうひとつ、カラー写真はこんな感じでした。やはりセシル・ビートンの作風が溢れていました。
自撮り写真もあった!
ナショナル・ポートレート・ギャラリーの公式ウェブサイトでセシル・ビートン撮影の写真作品を検索し続けたところ、セシル・ビートンが自身を撮影した作品がありました!
いわゆる自撮り写真ですね。
自撮り写真って、20世紀初頭からあったのですね。
自撮り写真とは思えないほどクオリティの高い写真を見て、改めてセシル・ビートンの写真家としての才能に感嘆しました。
しかも彼は、画家やインテリアデザイナー、衣装デザイナーとしても活躍していました。
芸術的感覚に優れていたのですね。
その多才な才能も美貌も羨ましすぎます。
こちらの写真もセシル・ビートンが撮影した自撮り写真です。やはり美的センスが溢れています。
KING&QUEEN展を観覧して私が最も感銘を受けたことのひとつがセシル・ビートンにまつわる物語でした。
KING&QUEEN展は見どころが満載です。
肖像画って様々な物語を持っているのだなあ、としみじみと感じました。興味のある方はぜひ、上野の森美術館に足を運んでみてくださいね。
【ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語―】
場所:上野の森美術館
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2
開催期間:
2020年10月10日(土)〜2021年1月11日(月・祝)
※会期中無休
開場時間:10:00~17:00
金曜日は10:00~20:00
<1月1日(金祝)は17:00まで>
※最終入館は閉館の30分前まで
公式サイト:https://www.kingandqueen.jp
※画像は一部公式サイトから引用させていただきました
[参考サイト]
https://www.npg.org.uk/
https://www.amazon.co.jp/Queen-Elizabeth-II-Portraits-Beaton/dp/1851776540