じんわり、ほっこり、そしてお腹が空く…。映画「みをつくし料理帖」
2022年、新しい年を迎えました。
我が家の今年のお正月は妹たちの旦那様方が実家に帰省していたので楽をしたのでしょうか?特におせちを作ったりもせず、年取りの夕餉に食べたけんちん汁に餅を入れて雑煮にしたり。
でも、我が家でなによりバズったのは、ピザトーストです。
そもそも。ここ数年、家にはオーブントースターがありませんでした。
数年前に故障した際、母が妹に
「新しいオーブントースター買わなくちゃね。」
と言ったところ、妹が買ってきたのはポップアップトースター。
そう、焼けたトーストがぴょんと飛び出すアレです。
何故と問う母に、
「飛び出すところが見たかった」
と、言った妹は、数回使うと飽きたようです。母は黙っていましたが、静かに怒っていた。
それ以来、我が家のトーストはフライパンで済ませていました。
しかし、ついに、「オーブントースターで餅を焼きたい」と母が年末に新しいオーブントースターを買ってきたのです。
でも、餅よりも母が好きなのはピザトーストだったよう。
なので、今年のお正月はピザトースト祭りでした。
でも、そろそろ飽きる頃。さて、次は何を作ろう?
さて、今回、ご紹介するのは「みをつくし料理帖」です。おいしいお料理が満載ですよ。
では、あらすじを簡単に
舞台は享和二年の大坂。8歳の澪と野江はいつも一緒に遊んでいた仲の良い幼なじみでした。しかし2人の住む大阪を大洪水が襲い、彼女たちは生き別れになってしまいます。澪は両親も亡くしていましたが、そんな澪を助け、引き取ってくれたのは大坂随一の名店と謳われる料理屋、「天満一兆庵」の女将、芳でした。
10年後、澪は江戸にある蕎麦処「つる家」で料理人として働いていました。天満一兆庵は隣家の火事が原因で延焼してしまったのです。芳の息子を頼り江戸に来たのですが、息子は行方知れずでした。
一方、野江は大洪水の最中、女衒に騙され吉原の遊郭に買い受けられ、今では幻の花魁、あさひ大夫と名乗っていました。
別々の人生を歩んでいる幼馴染2人。しかし、澪の生み出す料理が2人を徐々に引き寄せ…。
作品情報
監督は角川春樹さんです。実業家であり、映画監督、映画プロデューサーとしても活躍され、また俳人、冒険家でもあります。凄いですね。
角川春樹さんと言えば、角川映画。
『犬神家の一族』、『セーラー服と機関銃』、『人間の証明』「蒲田行進曲」などは彼が製作した作品ですよ。他にもヒット作が沢山あります。
監督作としては『汚れた英雄』(1982年)『天と地と』(1990年)『時をかける少女』(1997年)などがあります。
本作は10年ぶりにして最後の監督作品とのことです。
主演は松本穂香さんです。
NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」を観たことから女優を志し、高校在学中に事務所のオーディションに応募して合格したそうです。
2017年のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロインの個性的な同僚を演じて脚光を浴び注目を集めました。
2018年には以前こちらでも紹介した『この世界の片隅に』のテレビドラマ版で、すずさんを演じ連続ドラマ初主演を果たしました。
CMでのコミカルな表情も可愛いですね。
ほっこりする。
本作は角川春樹さんが監督ということもあり、歴代の角川映画に出演されていた俳優が大勢出演されています。金田一耕助を演じた石坂浩二さんを筆頭に、薬師丸ひろ子さん、浅野温子さん、鹿賀丈史さん、渡辺典子さん、等々、角川映画とともに青春を過ごされた方には懐かしいのではないでしょうか?
原作は髙田郁さんの時代小説シリーズでハルキ文庫から全10巻、刊行されています。300万部を超える大ヒットシリーズです。
料理がメインテーマとなっていますので30~60代の女性層からの支持が厚いようですよ。
そうなんです、本作はお腹が空いているときは観るのを控えた方がよいと言えるほどの飯テロ映画です。
どの料理もとにかくおいしそうで…。とろとろ茶わん蒸しなんて何個も食べられそう。
そして、丁寧に一生懸命、料理を作る松本穂香さんが健気で可愛いのです。
幼馴染を思い、涙をこぼす姿には貰い泣きしてしまった。
派手な演出はありませんがじんわりと温かくてここちよい映画です。
新年を迎えて観る1本目の映画としてお勧めの映画です。
【みをつくし料理帖】
監督:角川春樹
脚本:江良至
松井香奈
角川春樹
原作:髙田郁
出演者:松本穂香
奈緒
若村麻由美
浅野温子
窪塚洋介
小関裕太
薬師丸ひろ子
石坂浩二(特別出演)
中村獅童
音楽:松任谷正隆
上映時間:131分
製作年:2020年
製作国:日本