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舞妓さんちのまかないさん

おいしいごはんでほっこり…。漫画 「舞妓さんちのまかないさん」小山愛子著

新型コロナウィルスの感染拡大が中々収まらない中、やはり2020年11月中旬に予定されていた息子たちの沖縄への修学旅行が中止となりました。
学園祭も中止になったりと今年は我慢を強いられることが多くかわいそう。

その代わり、日帰りの研修旅行として富士急ハイランドに行きました。
現地に滞在しているよりもバスに乗っていた時間の方が長かったようですが、それでも十分に楽しんできた様子。
良き思い出となればいいのですが…。

私の修学旅行の思い出といえば、中学校の時、迷子?になったこと。

京都の平安神宮だったかな?二条城?
見学が終わり集合場所であるバスまで行く道すがら、ぼけーっと歩いていた私は、外国人のおばさんに英語で話しかけられ、半ば拉致同然に手を引かれ、訳の分からないまま30人ほどいた外国人観光客の集合写真の真ん中に座らされました。
「???」
写真を撮った後、私を連れてきたおばさんや他のおばさんたちにハグとキスをされているとき、私を探しに来た先生に

「おい、はら、何やってんだ!」
と怒られた覚えがあります。

いや、無理やりだったんだってば…。そして、夜、ホテルの廊下で正座させられたっけ。

でも、おかっぱで眼鏡をかけた仏頂面の私が写った写真が、異国の地にあるのかなと思うとなんだか不思議な気持ち。

頑張って笑えば良かった…。

さて、今回ご紹介するのは漫画「舞妓さんちのまかないさん」です。
修学旅行の思い出の地、京都が舞台ですよ。



では、あらすじを簡単に

京都のど真ん中にある花街が舞台。舞妓さんたちが深夜、お仕事を終えたあとに帰るのは、共同生活を送っている「屋形」と呼ばれるおうちです。キヨは花街にある屋形でまかないさんとして暮らす16歳の少女です。
キヨは中学卒業後、舞妓さんを目指して青森から京都にやってきたものの、クビを言い渡されてしまいます。
しかし彼女には、一つだけ、得意なことがありました。
それは、故郷のおばあちゃんに仕込まれた、日々のごはんづくりです。
ごはんづくりの才能をおかあさん(女将さん)に見込まれたキヨは、倒れてしまったまかないのおばちゃんに代わって、屋形の台所をまかされることに。
一方、一緒に青森から上京してきた同級生のすーちゃん(すみれ)は、お師匠さんから”100年に1度の逸材”と評され、華々しく舞妓「百はな」としてデビューしました。
ギリギリまで自分を追い込み稽古に励むすーちゃん、そして舞妓さんたちを裏で支えるキヨ。
さて、今日はどんな料理でみんなのお腹と心をいっぱいにしてくれるのでしょう。

作家情報

作者は小山愛子さんです。青森県出身です。
2001年にまんがカレッジ努力賞を受賞。
同年、少年サンデー超増刊にて「日常戦線」という作品でデビューしました。
そして「舞妓さんちのまかないさん」では第65回小学館漫画賞(少年向け)を受賞しました。
レトロなものが好きで普段も着物を着ていることが多いようですよ。
ちなみに2011年から2015年に月刊少年漫画誌ゲッサンで連載された「ちろり」は作者の小山さんのレトロ趣味が大いに反映されており、その世界観にドハマりしてしまいました。

舞妓さんの日常

こちらの屋形に住むのは10代の多感な少女たち。
ともすれば嫉妬や羨望が渦巻くような気もしますが、おかあさんはじめ登場人物がみんないい人。ほっこりします。
そして、ヒロインのキヨはのんびりとした性格で一言でいうととってもマイペース。
そんなキヨの作るご飯は特別なものではなくごく普通の家庭料理です。
ありふれた日常の中のありふれた食事。
非日常を提供する舞妓さんたちには、屋形で食べるキヨの料理が癒しになっているんですね。
見ているとお腹が空いてきます。
一方で舞妓として“100年に1度の逸材”と評された同郷の幼馴染のすーちゃん。
故郷の青森では、ぼーっとしたキヨのフォロー役でしたが、舞妓として日々精進している今の彼女にとっては変わらずにいてくれるキヨの存在がなくてはならないものに変化しています。
何も言わなくても通じあってる2人の関係が尊いのよ。

細部まで緻密に描かれている建物や景色は1枚の絵のように美しいです。

この作品を通じて少し特殊な花街のしきたりや舞妓さんの日常を知ることができ、京都への興味も湧いてきました。

特別大きなことはないけれど、続いてゆく日々をゆっくり楽しめる作品です。
心がほっこり温かくなりますよ。

2021年にはアニメ化されNHKで放映されるようです。PVのリンクを張っておきますね。
https://www6.nhk.or.jp/anime/special/special.html?i=8132

舞妓さんちのまかないさん
著者:小山愛子
出版社:小学館
発行:2017年4月12日

※画像はAmazonより引用させていただきました

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