ママ友のお願いは要注意！ポップでお洒落なサスペンスミステリー。映画「シンプル・フェイバー」

以前勤めていた会社にいた経理担当のKさんは、仕事中でも頻繁にママ友と称する友人と連絡を取り合っていました。
当時中学生だった息子さんが野球部だったらしく、部活関係のママともだったようです。

来週の練習試合のお茶当番は誰とか、仕事中にしなくてもいい内容を大きな声で話すので、私たちはいつもモヤっと、いや、イラっとしていました。
もう、社長の身内だったので好き放題。
少しでも嫌な顔をしようものなら翌日社長に呼ばれて理不尽に怒られます。
私たちの動向が筒抜けなんだもん。

ある日、午後から大切なお客様が来る予定の日。
その日は全社員が朝からピリピリしていました。
しかし、Kさんが突然
「税理士の先生と約束がある」
と言い出しました。
「時間までには戻るので後、お願いします。」
そう言うとさっそうと出掛けて行ってしまったのです。

自分でアポを入れてセッティングしたくせに…。
結局、来客時にも戻らず帰って来たのは終業間近でした。

しかし、翌日、彼女に小口経理を無理やり押し付けられている事務員さんが全員の前でKさんを告発したのです。

彼女のパソコンに写った画像は
「ママ友とホテルでランチ♪」
と題されたKさんがSNSに挙げた画像。
日付は昨日。

これにはさすがの社長もおかんむり。
全社員の前で豪快に叱られていました。

事務員さんが
「何がママ友だ！」
と低い声で言った一言、カッコよかったな。

さて、今回ご紹介する映画は「シンプル・フェイバー」です。“ささやかなお願い”という意味らしいですよ。

ニューヨーク郊外に住むステファニーは育児や料理についてのブログを運営しているシングルマザーです。
ある日、同じクラスに息子を通わせるエミリーに誘われて、豪華な邸宅を訪ねることになります。
事故で夫を失い、保険金を切り崩しながら子供を育てている朗らかで気立てのいいステファニーと、作家の夫、ショーンと愛し合い、華やかなファッション業界で働くどこか気怠くミステリアスなエミリー。
対照的なふたりですが、お互いの秘密を打ち明けあうほど親密な仲になっていきます
ある日、ステファニーは息子を学校に迎えに行ってほしいとエミリーから依頼されます。
しかしエミリーはいつになっても息子を引き取りには現れず、失踪してしまいます。
やがてブログを通じ、ミシガン州でエミリーを目撃したという情報が入るのですが……。

監督はポール・フェイグです。
多才なクリエイターで、監督、脚本、製作、著者として成功を収めています。
代表作に『SPY／スパイ』（2015年）『デンジャラス・バディ』（2013年）『ブライズメイズ史上最悪のウェディングプラン』（2011年）があります。
『ゴーストバスターズ』（2016年）リブート版では監督と共同脚本を務めています。
女性をメインとしたコメディ作品が多いですね。

ステファニーを演じるのはアナアナ・ケンドリックです。
2009年公開の『マイレージ、マイライフ』でアカデミー助演女優賞やゴールデングローブ賞助演女優賞などにノミネートされました。

セレブなエミリーを演じるのはブレイク・ライヴリー。
2007年放送開始のテレビドラマ『ゴシップガール』のセリーナ・ヴァンダーウッドセン役でブレイクしました。
また、ファッションアイコンとしても注目を集めています。

ちょっぴり天然でテンション高めなステファニーは、最初は少しあざとくてウザく感じてしまいました。
ブログ配信も文字ではなく映像です。
YouTubeのような。
挨拶と笑顔に少しイラつきました（笑）

一方のエミリーはマニッシュなスーツを着こなしミステリアスな美人。おまけに豪邸に住んでいる、一見するととってもセレブ。

そんな対照的な2人が秘密を打ち明けるような仲になっていきます。

そして、エミリー謎の失踪。

話は二転三転とします。

少し、サイコロジカル・スリラー映画「ゴーン・ガール」と似ているかも。

ミステリーサスペンスなのであまり多くを語るとネタバレになってしまうのですが「ゴーン・ガール」よりもコメディ風味多めで面白かったです。

なにより、ファッションやインテリアが素晴らしい。

ステファニーの可愛い系もいいけどやはり秀逸なのはエミリーのファッション。
私、絶対着こなせないので憧れます。

先の読めない展開にハラハラさせられます。
程よい緊張感と店舗の良さで2時間があっという間です。
ポップでお洒落な風味のサスペンスミステリーです。

【シンプル・フェイバー】
監督：ポール・フェイグ
脚本：ジェシカ・シャーザー
原作：ダーシー・ベル『ささやかな頼み』（早川書房）
製作：ポール・フェイグ
ジェシー・ヘンダーソン
出演者：アナ・ケンドリック
ブレイク・ライヴリー
ヘンリー・ゴールディング
アンドルー・レイノルズ
製作年：2018年
製作国：アメリカ

※画像はAmazonより引用させていただきました