映画「キャロル CAROL」トッド・ヘインズ監督 2016年2月日本公開

2020年アカデミー賞のノミネートが決まりましたね。
私の中では断トツで「ジョーカー」一択です。
ホアキン・フェニックスの鬼気迫る演技に圧倒されました。

「マーベル作品は映画ではない」と批判して物議を呼んだマーティン・スコセッシ監督の「アイリッシュマン」もノミネートされています。
個人的にはマーベル作品も立派な映画だと私は思っています。
というのも、内容も流れもよく知らない興味のあるジャンルでもない「アベンジャーズ・エンドゲーム」を息子にねだられて鑑賞した私が、劇場で号泣したんだもん。
そこからはシリーズすべて鑑賞しましたよ。
ええ。
中でも大好きなのは雷神マイティ・ソーです。
金髪・イケメン・マッチョ。
完璧なんです。

さて、今回ご紹介するのは「マイティ・ソー バトルロイヤル」で死の女神ヘラを演じたケイト・ブランシェットと、「ドラゴンタトゥーの女」で主演のリスベットを見事に演じきったルーニー・マーラが、2016年度のアカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞にWノミネートされた「キャロル」をご紹介します。

では、あらすじを簡単に。

~舞台は1950年代のアメリカはNY。
裕福な家庭の人妻キャロルとフォトグラファー志望のテレーズは、クリスマス商戦で混雑している高級百貨店のおもちゃ売り場で出会います。
鮮やかに波打つ金髪に深紅の唇、真っ白い肌を持つこの上なく美しいキャロルにテレーズは一瞬で目を奪われ憧れました。
キャロルがショーウィンドウに忘れた手袋を、テレーズが届けたことをきっかけに徐々に親密になっていきます。
しかし、キャロルの境遇を知ったテレーズは自分の中に新たな感情が芽生え始めたことに気づきます。

原作はパトリシア・ハイスミス。
「太陽がいっぱい」で有名ですね。
アラン・ドロン主演でこの作品も映画化されています。

この作品は女性同士の恋愛が描かれています。
でも不思議と抵抗は感じません。
なぜならば、デパートでの出会いのシーンで人と人とが惹かれ合う瞬間を見事に映し出しているから。
ここは男女に置き換えても共感し、納得できます。
抵抗感なくすんなりストーリーに入っていけるのはこのシーンがあるからなんですね。
もう一つは、50年代の優雅で豊かなアメリカの風景が、とても美しく画面に広がっているからかな?
どの場面を切り取っても絵になります。
もはやアートの域ですよ。

とにかく2人が美しい!の一言。
ケイト・ブランシェットの神々しいまでの美しさは、男女問わず魅了されること間違いなしです。
一つ一つのしぐさにうっとり。
品があるんですよね。
対してルーニー・マーラは、若くて不安定で子鹿のように可愛らしい。
「ドラゴンタトゥーの女」でピアスだらけのリスベットを演じた女優さんとは思えません。
若き日のオードリー・ヘプバーンみたいです。

そして、50年代のおしゃれで洗練されたファッションも楽しむことができます。
高級ファッション誌から飛び出してきたようなハイセンスなキャロル。
チェックのマフラーと帽子がガーリーなテレーズ。
真似したくなりますよ。

愛を語り合う映画ではなく互いを見つめ合うまなざしで思いを伝えあう、そんな静かなラブストーリーです。
果たして2人の関係が行き着く先は?
静かな夜にじっくり鑑賞することをお薦めします。

※画像はAmazonより引用しました。

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