ラストに明かされるタイトルの意味とは?映画「去年の冬、きみと別れ」
いつの間にやら色づいた木々の葉もハラハラと散り始め、もうすぐそこに冬の気配を感じます。
自室の窓から見える北アルプスも白い雪で覆われています。
息子が保育園の時、ちょうど今くらいの時期でした。
空気は冷たかったけれど良く晴れたある朝。
園の駐車場から教室までの間、同じクラスのレン君(仮)に会いました。
レン君は身体は小さいのですがとても賢い子で将来は天文学者になりたいと言っていた子です。
「レン君、おはよう」
と私。
「おはよう。今日は晴れているから北アルプスの冠雪が綺麗に見えるいい朝だね。」
「!!!」
(ご、語彙力!!!)
「う、うん、きれいだね。」
「かあちゃん、かあちゃんも見るといいよ」
レン君はお母さんにもそういいました。
「はいはい。あんた、年寄りみたいな言い方だね」
レン君母は苦笑しながら言いました。
「じいちゃんといるから年寄りじみてて…」
(うちにもじいちゃんいるけど…)
ふと、息子を見ると、私の足元にしゃがみ込み何かしています。
「でっけーーーー。だんごむし。うんこみたいー!!!これオレの!」
ダンゴ虫を手に超ドヤ顔。
やれやれだ…。
毎年、冠雪した北アルプスを見ると冬の初めのあの朝を思い出します。
さて、今回ご紹介する映画は「去年の冬、きみと別れ」です。
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの岩田剛典さん主演ですよ。
眼福です。
では、あらすじを簡単に
最愛の恋人・百合子との結婚を控えるフリーライターの耶雲恭介。
彼は天才カメラマンと謳われる木原坂雄大に取材を申し込みます。
実は木原坂はかつて、撮影所で起きた火事により女性モデルを焼死させ、一度逮捕されたことのある男だったのです。
その火災は事故扱いとなり木原坂は釈放されます。事件の詳細を書籍化して出版したいと考えている耶雲は、事件の真相を究明することを目的に、木原坂の周辺人物に対しても取材を進めていきます。
徐々に取材進めていくうちに婚約者に結婚の延期を申し入れるほど事件にのめり込んでいく耶雲。
そんな耶雲を翻弄するかのように、いつしか婚約者の百合子にも魔の手が忍び寄り…。
作品情報
監督は瀧本智行さんです。
助監督として活動を始められ、2005年に「樹の海」で映画監督デビューします。
この作品は2004年東京国際映画祭日本映画・ある視点部門作品賞・特別賞を受賞しています。
個人的には生田斗真さん主演の「脳男」(2013年)に痺れました。
主演は前出の通り、岩田剛典さんです。大学時代に「ミスター慶應コンテスト2009」の最終候補者となったそうです。慶應ボーイだったんですね。
TVドラマ、映画出演も多いですね。
一瞬たりとも目が離せない!
さて、ストーリーはフリーライターの耶雲恭介が天才カメラマンと評されている木原坂雄大が犯したとされる盲目のモデル焼死事件を取材することから始まります。
この妖しさ満点の天才カメラマンを演じたのは、これもまた妖しい色気が駄々洩れの斎藤工さんです。
ただ、この作品は彼だけが妖しいわけではなく、彼の姉である木原坂朱里も同じく妖しい。
この2人の姉弟は幼い頃、家に押し入った強盗に父を殺され、姉弟も腹部を刺されたものの生き残ったという過去を持ちます。
事件は犯人逮捕に至らず迷宮入りになってしまいます。
この事件が姉弟の現在にも影を落としています。
木原坂雄大を取材するうちに暴かれていく姉弟の秘密…。
そして秘密は思いもよらぬ方向へ…。
後半の怒涛の展開には驚きを隠せません。
そして、ラストに明かされるタイトルの意味…。
思いがけず涙してしまった。
余り多くを語ってしまうとネタバレになってしまいますのでこの辺でやめておきます。
原作は中村文則さんの小説です。2013年に幻冬舎より刊行されました。そして2014年(第11回)には本屋大賞候補作にもなっています。
映画化するにあたり若干ストーリーは変更されているそうですが、興味のある方はぜひ、原作もどうぞ。
【去年の冬、きみと別れ】
監督:瀧本智行
脚本:大石哲也
原作:中村文則『去年の冬、きみと別れ』
出演者:岩田剛典
山本美月
斎藤工
浅見れいな
土村芳
北村一輝
製作年:2018年
製作国:日本
※画像はAmazonより引用させていただきました