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「この漫画がスゴイ!2022オトコ編」1位の傑作!話題になった漫画「ルックバック」藤本タツキ著 ジャンプコミックス

もう早いもので2021年も残すところあとわずかですね。
今年はいつにも増して月日が早く過ぎて行った気がします。
歳を取ったせいもあるとは思うのですが、なんだか世間が慌ただしかったからですかね。
2022年はどうか穏やかに過ごしたいものです。
個人的に1年を振り返って見ると、今年は映画や小説に加え漫画とアニメも、ものすごくたくさん読んだり観たりした年でした。大体、週末にはアニメを一気観していました。
漫画は元々、好きだったのですが、今までアニメは好きな漫画のアニメくらいしか観ていなかったのです。それが今年は気になるタイトルは取り合えず観ることに。
何作ぐらい観たのかしら?覚えていないけれど、ラブコメは苦手ということははっきりしました。推しの声優さんも出来たし楽しみが増えましたよ。
息子が推してくるおかげで漫画は今まで読まなかったジャンルも読むようになったし…。ただ勝手に部屋に置いていくだけですが。

さて、今回、ご紹介する作品も息子が勝手に部屋に置いていった読み切り漫画です。
『このマンガがすごい!2022オトコ編』で1位になった、藤本タツキ「ルックバック」です。

では、あらすじを簡単に

小学4年生の藤野歩は、スポーツ万能で性格も明るくクラスの人気者。
そんな彼女の最近の趣味は自作の4コマ漫画を学級新聞に載せてもらうこと。
友人たちからも面白いと言われ、得意気になっていました。
しかし、ある時、隣のクラスの引きこもり、京本が描いたプロのような繊細で精密な漫画に驚愕し、劣等感と屈辱に苛まれることに…。
それから藤野は京本を越えることを目標に、友人も勉強も擲ち、ひたすら画力の向上のためスケッチに励むのですが、6年生になっても京本の足元にも近づけず…。
努力しても勝てないと、画材を捨て諦めようとしていた時、その京本が藤野の漫画の大ファンだと知り、雨の中踊ってしまうほどの喜びを感じます。
やがて中学生になった2人はコンビで漫画を描くようになり、17歳までに7本の読み切りを掲載しアマチュア漫画家としては成功するのですが、高校卒業後の進路で別な道を行くことになり…。

作家情報

作者は藤本タツキさんです。
デビュー作は2014年、読切『恋は盲目』でジャンプSQに掲載されました。この作品は前年、2013年にクラウン新人漫画賞佳作を受賞した作品です。
初めての連載作は『ファイアパンチ』(少年ジャンプ+ 2016年 – 2018年)です。
ウェブコミック配信サイトですが、衝撃的な展開はSNSでも話題になったようですよ。
そして2019年からは週刊少年ジャンプ本誌でこちらもとても話題になりアニメ化も決定した『チェンソーマン』の連載を開始します。(息子が私の部屋に置いて行った作品です)
ちなみに、『このマンガがすごい!2021オトコ編』は『チェンソーマン』でした。
藤本タツキさんの漫画が2年連続で受賞したということですね。凄いし、素晴らしいです。

眠れなくなってしまう

本作はWEB上で発表された際、あらゆる観点で大きな話題になりました。ここでは詳細は避けますが、漫画としての表現はとても素晴らしい作品だと思います。

創作者として自分よりも優れた才能に出会ってしまった時の屈辱と劣等感、そこからの脱出、再生を見事に描いています。

そして、圧倒的画力。一コマ一コマが繊細に丁寧に描かれ、一つも無駄がない。
なによりセリフが少ないながらも伝わって来る様々な感情。
私はWEBで発表された直後、この作品に触れ、その日はなんだか眼も頭も冴えてしまい中々寝付けなかったことを覚えています。
藤野と京本、2人で漫画を創作した日々がとても尊くキラキラしていてずっと心に残ります。
嬉しいことや楽しいことばかりではないのが人生。人生には何が起こるかわかりません。でも、自分で決めたことをひたすら続ける。
藤野にとってそれは漫画を描くこと。今日も、明日も…。藤野の背中がそういっているのです。

まるで映画のような作品です。
訪れる余韻も上質な映画を観た後の余韻に似ています。

心の奥深くから色々な感情が湧き出て眠れなくなるかもしれないので、週末の夜に堪能するのがベストです。

ルックバック
著者:藤本タツキ
出版社:集英社
発行:2021年9月3日

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