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仕事も恋もゆる~く頑張ってみよう 漫画「午前3時の無法地帯」ねむようこ著

以前、女性だけの職場に勤めていた時のお話。
とある日、
「メールに添付されている書類が開かない」
と取引先の担当者から私に電話がきました。
(ちなみに30代独身イケメンでした)

その後、何度か手を尽くしメールを送り、そのたびに担当者から電話が来るので、事務を通さず私が直接電話に出ることになりました。
そして、相手がわかっている電話だったからか、つい
「お疲れ様でぇーす、はらでぇーす」
と、言ってしまったのです。
担当者も笑いながら
「おつかれさまでぇーす、○○でぇーす」
と返してくれたので、お互いに笑ってしまいました。
しかし、その瞬間、向かいのデスクにいた、粘着質で煙たがられている上司と目が合い…。
(もちろん上司も女性です)

案の定、電話を切った瞬間
「あのね、ビジネスマナーって知ってる?」
とお説教タイムに突入。
いつもより粘度が増していたな。
終わった後は少しメンタルがやられたっけ。
後で後輩に聞いたところ、イケメン君は上司のお気に入りだったようです。
私が馴れ馴れしく話していたことが気に入らなかったみたい。
そんなこと言ったって貴女が私に押し付けた仕事なのに…。
今思い出しても腹が立ちます。理不尽だ。

さて、今回ご紹介するのは漫画「午前3時の無法地帯」です。

では、あらすじを簡単に。

~イラストレーターを夢見るももこが就職したのは、そんな夢とはかけ離れた職場でした。超多忙なパチンコ専門のデザイン事務所。キラキラした日々を送りたかったももこですが、ヤクザまがいの営業や、夜中にパンツ一丁になってしまうデザイナーなど、社員はちょっと…。午前3時でも絶賛稼働中のはっきり言ってブラック企業です。徹夜続きで家にも帰れず、充満するタバコの煙のなかで、ももこの女子力は下がる一方です…。「こんな会社すぐにでも辞めてやる!」ももこは「辞表」も常備しています。しかし、愚痴を言い合えた唯一の同僚に先に辞められてしまい、辞めるにやめられない状況に。そんな慌ただしい日々を送るももこの心の支えになっていたのは、学生時代からの恋人、たもつの存在なのですが…。

作者はねむようこさんです。
2004年に『FEEL YOUNG』(祥伝社)でデビューしました。
それ以前の9か月間はパチンコ専門デザイン会社勤めをしていたようです。
ももこの職場環境がやけにリアルなのは実体験に基づいたものだったんですね。
「午前3時の無法地帯」は『FEEL YOUNG』2008年5月号から2009年7月号に掲載されていました。

さて、ストーリーは理想と現実とのギャップに戸惑いつつも仕事をこなすしかない、慌ただしいももこの日常を、洗練されたポップな絵柄で描いています。

自分の理想通りの会社で働けている人ってどのくらいいるのでしょうか?
そして、理想通りの会社に勤めたとしても、仕事をしていく中で、ももこのように
「なんか違う、こんなはずじゃない!」
と感じることは少なからずあると思います。
辞める気はなくても理不尽な事に遭遇したりすると
「辞めてやる!」
と思うこともあるでしょう。
ももこの置かれた環境は劣悪でブラックなのですが、働く立場の方であれば、ももこの抱く感情に共感できる部分も多くあるのではないでしょうか。

仕事に追われ、心の拠り所であるはずの恋人との関係もなおざりにしてしまうももこの言動もわかるような気がします。
「慣れ」と「甘え」なんでしょうね。

ももこを取り巻く人々もみんな個性的でキャラがたっています。

しかし、どんなことが起きようと現実に向き合い、前向きにしっかりと進もうとするももこは見た目と違いサバサバしていてカッコよくもあります。

置かれた環境で、自分が今、しなければならない事と真剣に向き合う。そうすることで、何かが見えてくるのだと思います。

お仕事漫画でもあり恋愛漫画でもある、一風変わった作品です。
全3巻でサクッと読めるのもいいですね。

午前3時の無法地帯
著者:ねむようこ
出版社:祥伝社
発行:2008年12月8日第1巻発売

※画像はAmazonより引用させていただきました

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