aiko「青空」待望のサブスクリプション配信!彼女の鮮やかで繊細な表現にも注目
星野源、サザンオールスターズ、そしてスピッツ。
ここ1年~2年で名だたる大物アーティスト達が、ファン待望のサブスクリプション配信を開始してきました。
そして2020年2月、多くの音楽ファンが待ち望んでいたaikoも、39枚目のシングル「青空」の発売を機にこれまで発表した全414曲を全てサブスクリプションでの視聴を解禁したのです。
aikoと言えば、「カブトムシ」「ボーイフレンド」「キラキラ」など、これまで国民的ポップスと呼んでも過言ではない数々の名曲を発表してきた稀代のシンガーソングライターですね。
このサブスクリプション配信をきっかけに、彼女のこれまでの名曲に改めて触れたファンも多いのではないでしょうか。
これまでのaikoの楽曲を語る上で欠かせないのは、歌詞においての彼女の鮮やかな表現の妙。
思いを寄せる女性の心のときめきや、特に言葉に出せない、あるいは言葉に出してはいけない揺れ動く心情。
時には痛いほどに繊細な女性の心の内を表すことに、彼女は非常に長けているアーティストです。
思いを寄せる相手との恋の終わりを迎え、切なく苦しい胸の内を歌う今作「青空」。
この曲もまた可愛らしい声とポップな曲調の中に潜む、aikoならではの表現や言葉の言い回しに良い意味でぎょっとさせられる楽曲なのではないでしょうか。
aikoの楽曲は一見キャッチーな曲調で、可愛らしい女の子の心情を描いた王道のポップスというイメージを持たれがちです。
しかし歌詞をちゃんと読んでみると、曲のイメージにともすれば相反するような、あるいは歌詞単体でみるとある種えげつなさを感じるくらいの痛々しい言葉やリアリティを感じさせる単語・表現がよく用いられます。
私たちがイメージする明るいポップスとは少し異なるその歌詞の印象が、この驚きの根源とも言えるでしょう。
メジャー曲のみを知っているいわゆる”aikoライト層”からすれば、この驚きにショッキングさを伴う方も多いのではないでしょうか。
しかし、それこそがaikoの真の魅力。
痛みを伴う歌詞に魅了された者こそ本当のaikoファンである、と明言する人々も少なくありません。
誰かに思いを寄せるということや、誰かと思い思われる恋だの愛だのという繋がり。
大人になればなるほど、それは昔夢見ていたような綺麗事だけでは済まされなくなっていきます。
昔よりずっと多くの言い訳を抱えながら、時には目を背けたくなるような自分自身の心の内と向き合うこともあるでしょう。
それをわかっていながらも、今まさに苦しみを伴う繋がりに囚われている。
そんな方にこそ、この「青空」をはじめとしたaikoの楽曲を聴いて頂きたいのです。
昔はよく聴いていた、あるいはなんとなくでしか聴いたことのなかった。
そんな曲の中で今だからこそ身をもってハッとさせられる1フレーズに、もしかしたら出会えるかもしれません。
青空
アーティスト:aiko
レーベル:ポニーキャニオン
発売日:2020年2月26日
※画像はAmazonから引用させていただきました