19世紀末の芸術に魅了されすぎたら世界が広がった☆the decadence☆ Vol.1 【ファッションセンスをUP-展覧会編】

皆さん、展覧会はお好きですか?
私は展覧会が大好きで、月に6〜10回ほど行っています。
気に入った展覧会には最低でも3回は行きます。

2019年に開催された展覧会の中で印象的だったファッション系展覧会は、CHANELが開いたものでした。

天王洲アイルで開催された「マドモアゼル プリヴェ」展。
これまでのCHANELのオートクチュールコレクションのなかから約20点ほどのコスチュームが展示されていましたが特に惹かれたコスチュームのひとつに、ゴールドの模様が施されたブルー系のドレスがありました。
見た瞬間、壮大なイメージの、ゴシック建築やバロック主義の絵画が浮かんだのです。
シャネルの基色のうちのひとつであるゴールドは「バロックゴールド」の呼称を持っていることをこの時初めて知りました。

そんなわけで、今まで敷居が高く無縁だったCHANELのコスチュームの世界に初めて入り、一瞬で惚れたのでした。
「やっぱり違う、CHANELはファッションというより総合芸術や」と思いました。
コスチュームデザインだけでなく、展示されている配置や配色がステキ!!
ある角度から撮影するとさらに絵になる工夫もされていたり、どこを切り取っても絵になるデザインに写真好きにはたまりません。
結局2回訪れました。
正直、まだ行き足りないほどの素晴らしすぎた展覧会…展示会でした。
なんというか、衣装の先にその世界観や夢が見える、という感じを受けました。

といっても、私自身は、元々は芸術にほとんど興味がありませんでした。
どんな展覧会も自分には敷居が高く場違いな気がして、全く無縁の世界だったのです。
にも関わらず興味を持ったのは、自分の中の「お洒落になりたい」という願望と、あるモデルさんの「できるだけたくさんの芸術に触れたほうが良い」という言葉がきっかけでした。

試行錯誤の結果、「お洒落になる」という目的のためには、「自分を知る」という手段が私には合っていることに気づきました。
そこで、今回は私自身が、展覧会を通してどのように「自分を知る」ことを実践したかをお話したいと思います。
CHANELの「マドモアゼル プリヴェ」展についても書きたいことだらけなので、またの機会にお話しさせてください☆

「ファッションセンスがよくなりたい。」
「お洒落になりたい。」
「でもどうしたらセンスがよくなるのだろう。」

ひょっとしたら私と同じように悩んでいる女性は少なからずいるのではないでしょうか。

私は20代の頃、あるモデルさんに、どうしたらファッショセンスがよくなるのかを尋ねたところ、「できるだけたくさんの芸術に触れたほうが良い」と言われました。
その後、他のモデルさんや俳優さんにも同じ質問をすると、誰もが「芸術鑑賞が大切!!」とアドバイスしてくれたのです。

芸術とファッション??このふたつがどのように繋がるのだろう?

芸術といえど様々なジャンルがあり、当時、芸術よりショッピングや食欲が興味の対象だった私には、芸術は無縁の世界でした。
でも、ファッションセンスが一流の人たちが揃って「芸術」を推してくれるなら、と、まずは地元に点在する美術館の展覧会に足を運んでみました。

「綺麗だなあ。」「素敵だなあ。」とうっとり見惚れずにはいられない絵画や家具、陶磁器…。
でも、これらに見惚れることとお洒落になるという繋がりはどこに??と悶々としていました。
そして、その答えにたどり着く第一歩は、「ノートと鉛筆の持参」から始まりました。

ただ、漠然と「綺麗だなあ」と思うだけではなく、具体的に、その芸術作品のどんなところに惹かれたのか。
色合い?フォルム?デザイン?
まずは、なんとなくでも良いから、惹かれた箇所を思うがままにノートに書きだしてみる。
この作業を、魅力を感じた作品についてどんどん書き出してみました。
美術館を出た後、自分が書いた言葉を見てみると、なにかそこに共通点が見当たるはず。
そこを切り口にさらに、次の展覧会では、その「共通項」を意識しながら、さらにより詳細に惹かれたポイントを書き出してみる。

この繰り返しによって、それまで自分が惹かれた芸術作品の共通項と、自分の好きなファッションに共通項があることに気付きました!!

なんとなく好きだなあ、と思うファッションはたくさんあり、結局同じようなものを買ってしまう、ということはよくあることだと思います。
自分の「好き=惹かれるポイント」を分析し、それを念頭に置きながら、その「好き」をファッションにどのように活かしてコーディネートするか、また、本当に持っていたい衣類を厳選していくきっかけにもなります。
このように、展覧会を通して、今まで知らなかった自分の「好き」を分析することで、ファッショセンスのアップに繋がる。
これが、私がアドバイスを貰ったモデルさんたちの、「芸術をファッションに活かす」方法論のひとつなのかもしれません。

ただ、これらの一連の作業は、できれば、まずは自分ひとりでやってみることをお勧めします。
展覧会にひとりで足を運んでみることは、自分を改めて見つめるための有意義な時間になるのではないでしょうか。
カフェでケーキを食べながら、好きな飲み物を飲みながら、ゆったりと楽しみながら分析してみるのも良いかもしれません。

ひとつだけ欠かせないのは、気付いたことはすべて文字にする!!こと。
これはとても大切です。

この作業によって、芸術作品を通して、自分では無意識だった「好き」が見えてくる。
つまり、芸術作品の鑑賞は、自己投影にもなり得るのです。
芸術の見方は、人それぞれ違って良いと思います。
「自己を中心とした芸術鑑賞」はこのように自分の好みを知り、やがてはファッションセンスのアップや芸術そのものが好きになり、自身の心を豊かに、さらには創造的にもなっていく入り口とも言えるかもしれませんね。

次回は、自分の好みを知るためにさらに掘り下げ、より気軽に実際的に活用できる方法をお話ししたいと思います。

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