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ベビーシッターや家事代行サービスの利用を「セレブぶるな」とモラハラされた話

十年前の常識は今の非常識と言われるほど、ここ最近は目まぐるしく社会が変化しています。
平成27年(2015年)の国勢調査によると共働き世帯の数は1,200万世帯を超え、割合としては全体の64.4%という結果が発表されています。
基本的に5年ごとに調査されていますので2020年の統計がそろそろ発表されると思いますが、さらに増えていることは確実でしょう。



社会状況の変化

専業主婦やパートタイマーが当たり前だった時代と、フルタイムで働きながら子育てや家事をする時代では状況が全く違うのに環境は整っていません。
忙しいのはシングルや子供を持たないカップルでも変わりなく、働き方改革のおかげで本業と副業を持っていたり、学校へ通い直す人もいますし、悩みだって今は多様化していますよね。

・保育園に入園できなかった
・夫婦共に仕事が忙しく家事まで手が回らない
・ワンオペ育児に疲れ切った
・家事と子育てと介護の全てをやり切るのは無理
・頼れる人が近くにいない
・とにかく時間がない

みんなが同じような暮らしや考え方をしている中流家庭が多くを占めていたのは過去のことであり、現在は様々な生き方をしている忙しい世代が必死に税金を払って日本を支えています。
そこへさらに世界中に広まった新型コロナウィルス!
思いもよらぬ感染症によって生活を変えざるを得なかった方がどれだけいるか。
自宅で仕事をする場合は子供を保育園に預かって貰えない、コロナの影響で高齢の親御さんに子育てを手伝って貰うことが難しくなった、などという話を耳にすることも多くなりました。

少しくらい代行サービスに頼っても良い気がしますが、どうやら偏見もありそうです。

ベビーシッターや家事代行サービスはセレブのものではない

IT化が進んだことにより様々なマッチングサービスが生まれ、最近は自分の苦手なところは人に任せて得意分野で稼ぐことが可能になってきました。
プラスになることはシェアした方が良いと、仲間内での情報交換も頻繁に行われています。
いつものように話していた時、50代の独身男性からベビーシッターや家事代行サービスを利用することを「セレブぶるな!」と言われ、目の周りに火花が飛んだかな?というくらい面食らいました。
まず、清々しいくらいの明確なモラハラですし、いつの時代の価値観よ?とその古さに驚きました。
しかし同時に、そのように思われるのが嫌で代行サービスを使えない方がいるのではないか?と気づきました。

もしかしたらこの男性のように代行サービスはセレブのものだと思い込んでいる方だってまだまだいるかもしれません。
結論、そんなことはありません。
付き合いで行くつまらない飲み会を勇気を出して1回断れば、代行サービスを1回頼める、くらいの感覚です。

ネット上にはマッチングサイトから派遣会社までたくさんの情報が溢れており、お安いところでは1時間1,000円というのもあります。
今はだいたい2,500円前後が相場かもしれません。
社会状況の変化で自分のキャパシティを超えたタスクを抱えている場合に、共働き夫婦が頼っても問題ない金額設定ではないでしょうか?
別に共働きじゃなくても、シングルだろうと専業主婦だろうと気軽にお願いして良いと思います。

私たち夫婦に子供はいませんので、残念ながらベビーシッターを頼んだことはありません。
お料理も好きなので私が頼んだことがあるのは水回りのお掃除や、ガスキッチンのレンジフードのお掃除くらいです。
記事にするならもっと様々な種類の代行サービスを使い比べておくべきだったと後悔しています。
そのうち代行サービスレポでもやりましょうね。

なぜ「セレブぶるな!」と発言したのか?

50代独身のその男性はけして悪気があったわけではありません。
むしろ良かれと思って発言されています。
世の中には貧乏なシングルマザーだっている、ちょっと飲みに出掛けたい時にシッターを頼むお金なんかないんだ、世の中金持ちばかりじゃないと。
彼には彼の正義があるのです。
冷静に考えて飲み代はあるのにシッター代がないというのは理論破綻していると思いますが、とにかく彼は貧困層の気持ちを考えて欲しいという優しい気持ちで言ったのだと思います。

家事代行サービスにしたって彼が思い浮かべるのは市原悦子さん主演のテレビドラマ「家政婦は見た!」のように、一部のお金持ちが雇うイメージしかないようです。
50代以降は恐ろしいくらいテレビの情報しか持っていない方々がいるので、話す時は注意が必要だなと反省しました。

でもこれ、田舎に行けば行くほど、多数派意見になりそうで怖い…
自己と他者を独立して認識できず同調圧力をかけてくる高齢者、めちゃくちゃいますからね。

無知という罪

警察白書によると令和元年の児童虐待事件の検挙数は1,972件、通告数は98,222件にも上ります。
13歳未満の子供が被害者となった刑法犯の認知件数は11,885件。
認識できていなかったり泣き寝入りしている子供の数も相当いそうなので、実際には検挙・認知数よりも多いと推察されています。

数字からわかるように親だけで子供に向き合うのは限界がありますし、かと言って今はもう子供を放置できる時代ではないのです。

自分に子供のいない人の意見なんて勝手なものです。
責任なんてないのですから。
ですが事件は確実に起きていますし、被害者も毎年大勢います。
ベビーシッターを頼んだらベビーシッターから被害を受けたという場合もあり、100%安全とは言えない現状が本当に嫌なのですが、真剣に子供に向き合ってくれる人たちの方が多いと思います。
保育園、幼稚園、学童、アフタースクール…いろいろな選択肢の中から気軽に頼れる社会になって欲しいものです。

家事も一緒。
過労から鬱になって自殺してしまう人がどれだけいるか。
毎日の忙しさに体も心もボロボロになっているなら、外注にしてその分お休みしたり遊んだり、息抜きに当てた方が絶対にいい。
私は2週間に1度のペースでお願いしていますが、どれだけ救われたか感謝してもしきれません。
プロの力で綺麗になった水回りは何度見ても感動します。
そしてなにより寝る時間が少し増えるだけでも人生明るくなりますよ。

もし無知な人たちの目を気にして利用をためらう方がいるなら、ぜひ代行サービスを使ってみて欲しいと思います。
セレブとは全く関係ない、庶民に寄り添ってくれるものがたくさんありますよ。

うるせーよ!

世の中にはいろいろな価値観があるので、私はたくさんの方から意見を聞くのが好きです。
日本でもディスカッションがもっと盛んになるべきだと思っています。
(ディスカッションは討議・討論と訳されますが少し間違っていて、それぞれの意見を交換する中で違う角度からの意見や問題点を知り、それを受け入れて正しい結論やより良い解決策を見つける共同作業を指しています。相手を打ち負かすのはディベートです)

海外に行ってその国の文化を知るのも視野が広がって良いですね。
絶対に気をつけなければいけないのは、自分の考えを押し付けてはならないということ。
人間にはそれぞれ生きてきたバックグラウンドや経験、文化や主義・宗教などがあり、価値観はその人の人生そのものです。
ですから否定するなんてもっての外。
逆に相手から意見を押し付けたられたら口ではそうですねと言っておきますが、心の中では「うるせーよ!」と思って流します。
同調圧力も「知らねーよ!」って思っちゃいますし、別にそれで嫌われても人生にあんまり影響ないんですよね。

40代になってようやく、できるだけ「まぁ、いいか」と自分を甘やかすのも大事だと知りました。
若い頃はなんであんなに頑張っていたのか、今やれって言われても無理でしょうね。
生きてりゃ大変なことがどんどこ降ってくるので、それでいいんですよ、きっと。

100%で頑張ると自分を追い詰めて、結果、しんどくなります。
時にはそれが必要な場合もありますが、いつもは無理。
70%くらいの力で頑張って、人に頼ったり頼られたりしながら余裕を持って生きたいものです。
(頑張れない人にまで活躍を強制する社会なんて怖い)

それぞれの価値観やペースが認められる世の中になりますように。

補足:ネタにさせていただいた50代独身の男性はたくさんの方から尊敬され慕われている、本当に優しい方です。
仲間を家族のように心配してくれるため行き過ぎた発言をしますが、ただのジェネレーションギャップですので周りは特に問題にしていません。
ビックリ発言が多い面白い方なので、これからも愛すべきモラハラおじいちゃんとして記事中に登場していただこうと思っています。

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