冬の香り、どうする

冬の香り、どうする?

日本は四季がはっきりしていて、季節ごとにさまざまな表情を見せてくれますよね。

なかでも冬は、木々が眠りについたり、日没も早くなったりと自然界の活動も一旦お休みになります。また、大気も乾燥し空気の濃度が薄くなります。

冬の香り、どうする?

「冬の空気が美味しい」と感じたことはありませんか?
星空も綺麗に見えますし、夏より空気がずっと澄んでいますよね。

実は、その無臭こそが本来の冬の香りなんです!
湿気の多い夏には遠慮してしまうような「香りのおしゃれ」を楽しめる季節でもあります。

まさしく、冬は香水が本領発揮することのできる季節といえるでしょう。

パリ暮らしの私の専門は、香水に関する執筆&ルポタージュ。
ここでは冬のある国でしかまとえない、とっておきの香りが存在します。

香水に興味のある人も、無い人も。
「香害」なんて言わせない、香りとの上手な付き合い方をご紹介したいと思います。



冬に冴える香りとは

着るお洋服も厚手のものになるので、香りが拡散しにくく、トップノートからラストノートまでの香り立ちの変化をより楽しめます。

夏は爽快感のあるフレッシュシトラス系の香りが好まれますが、冬の香りは一転して甘く重めなグルマン系やオリエンタル系の香りが活躍します。

グルマン系の香りと聞いて、いまいちピンとこない方も少なくないかもしれません。
元はフランス語の「gourmand(グルマン)」=食いしん坊に由来しています。

冬の香り、どうする?

実際にはチョコレートやバニラ、キャラメルなど「食べたくなっちゃうような甘い香り」のするフレグランスの類です。

乾燥した冬の気候なら、甘くスイートなバニラやお菓子のような香りはシトラス系よりも綺麗に香ります。

フランス人はグルマン系の甘い香りが大好き。(3度の飯よりスイーツが好きという国民性もあります)
ということで、グルマン系の香水はものすごく種類があるんですね。

では、日本でも安心してまとえる、パリ発のグルマン系フレグランスを3つご紹介したいと思います。

日本でも楽しめる、粋なグルマン系の香水たち

Un bois vanille(アン・ボワ・バニーユ)/Serge Luteins(セルジュ・ルタンス)

冬の香り、どうする?
フランスの人間国宝、Serge Luteins(セルジュ・ルタンス)。
哲学的でアーティスティックな香りのラインナップは、大人の男女にぴったり。

バニラとウッディ香る「Un bois vanille(アン・ボワ・バニーユ)」は、これバニラ??と面食らうほど奥深いです。
天然のバニラの香りとはこんなにも豊かで、温かみのあるものなのか。。。と感激しました。

背筋を伸ばして、トレンチコートやウールのコートと合わせたくなるような高潔な香り。
男性がまとえば不思議と周囲に安らぎを与えることでしょう。
もちろんユニセックス!

ATRAPE-REVES(アトラップ・レーヴ)/Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)

冬の香り、どうする?
「ATRAPE-REVES(アトラップ・レーヴ)」とは、「ドリームキャッチャー」の意味。
カカオとフローラルが絡み合い、可憐な甘さを生み出しています。

女性にしかまとえないような華やかさが魅力のグルマン・フローラルノートです。
カジュアルにもすんなり溶け込み、フォーマルでも充分な気品と存在感を示してくれる、とても使い勝手の良いオードパルファム。

ただ濃厚な香りなのでオフィスには向きません。
仕事から解放されたオフの日、おうち時間に「ご褒美」として自分に送りたくなります。
ギフトにも良いかもしれません。

「ドリームキャッチャー」の名の通り、自分を高みに上げてくれるような心強い一本です。

GYPSY WATER(ジプシー・ウォーター)/BYREDO(バイレード)

冬の香り、どうする?
シンプルでヌーディー。
「GYPSY WATER(ジプシー・ウォーター)」は、ウッディー感の効いた「肌色バニラ」な香水です。

実はこちら、鳥肌が立つくらい良い香りでした。

自分の肌の香りと混じり合って、何とも言えない甘く切ない残り香が素晴らしい。
“あの人が着けている香水、いい香り”ではなく、“あの人、いい匂い”と言わせてしまいそうな、肌との相性が抜群な一本。

人がもともと持っている動物的なアンバーの匂いと「GYPSY WATER(ジプシー・ウォーター)」の相性がとても良いのでしょうね。

その人の香りを引き立たせる「スキン・セント」の役割を持った秀逸なフレグランスと言えるでしょう。

割とニッチなフレグランスですが、香水上級者さんもビギナーさんも、安心して身にまとえます。

着ける場所はここがいい

グルマン系香水は重厚感のあるものが多いので、心臓より離れた場所に着けるのが望ましいです。

香水をより「体臭」に近づけるには、ほんの少量、腰や太ももの内側など服に隠れる体温の高い場所に、「面」を意識して香りをのせていくとベストです。(少し離して一吹きする)

または、足の甲に着けるのも良いかもしれません。
心臓から離れれば離れるほど、ふんわりと、冬向けの香水が理想的に香ってくれるはずです。

冬は香り上手になるチャンス

いかがでしたでしょうか?

甘いお菓子の匂い、というイメージが先行するグルマン系香水ですが、意外にも奥深くて人の心を惹きつける魅力的な香りなんですよ。

ノスタルジックなバニラやアーモンドの香りに癒されるも良し、肌と馴染んだ甘い香りで周囲をドキドキさせるも良し。

心も身体もカサカサしてしまうこの季節、香りが少しでも味方になってくれるはずです。

自分も周りもハッピーにさせてくれるグルマン系香水で、みなさまの香りライフがより充実したものとなりますように。

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